女性の心をとりこにする美しき天才美容師の野心と彼を独り占めしようと群がる女たちの打算…。「点と線」を手がけた竹山洋の脚本、豪華キャストによって息をもつかせぬ展開で繰り広げられる松本清張ドラマ。
エピソード1
第1話
美容室『ムラセ』に勤める人気美容師の道夫 (藤木直人) は、店の前で女性誌記者の幸子 (木村佳乃) と出会う。瞬く間に道夫に魅せられた幸子とは対照的に、彼女の友人・フジ子 (夏川結衣) は、道夫の名刺を見た途端、顔を強張らせる。同じ頃、東京高等検察庁では、検事の桑山 (小林稔侍) が、5年前の殺人事件について報告を受けていた。
エピソード2
第2話
道夫は突然、刑事に任意同行を求められる。2年前に起こした暴行事件の被害者が告訴したというのだ。それを知った幸子は道夫が保釈されるよう、フジ子に協力を仰ぐ。だが、保釈された道夫を警察署の前で待っていたのは、道夫のスポンサー・雅子 (室井滋) だった。幸子との仲を疑う雅子に、道夫は会っていないと答えるが…。
エピソード3
第3話
店のオープンを間近に控え、一層の野望に燃える道夫 (藤木直人)。幸子 (木村佳乃) の尽力でマスコミへの露出も増え、道夫の評判は瞬く間に世間に広まる。だが、店の名義は雅子 (室井滋) のまま。スポンサー顔で奉仕を強要する雅子は、道夫にとって疎ましい存在と化していた。そして店は無事オープンし、道夫の順風満帆な日々が始まる。
エピソード4
第4話
仕事先の福岡までやってきた雅子から、出資金の返済を迫られた道夫は、店を担保に金を借りて返すといい、雅子から実印を預かる。二人の話し合いに同席していた幸子は、道夫を放そうとはせず、帰郷も順延。道夫は仕事に行くことすらできない。翌日、東京に戻った幸子は、道夫の傍にいるため仕事を辞めるとフジ子 (夏川結衣) に告げる。
エピソード5
第5話
雅子 (室井滋) の死を警察が自殺と断定した頃、道夫 (藤木直人) は幸子 (木村佳乃) との婚約を発表。順風満帆な道夫の姿は、マスコミを賑わせていた。そんな中、フジ子 (夏川結衣) に、検察事務官の桜田 (高知東生) が接触してきた。道夫が犯人に違いないと熱弁を振るう桜田に、フジ子は自分が道夫と一緒にいたとアリバイを証言する。
エピソード6
第6話
青山に道夫の新しい店がオープンした。女優や政財界の有力者などが開店資金を出資し、話題づくりにも成功した道夫だったが、店にはオーナーのように振る舞う幸子の姿があった。彼の運命は自分の手の内にあると自信を取り戻した幸子は、道夫をがんじがらめに束縛していた。そんな幸子に、桑山 (小林稔侍) が接触を図ってくる。