エピソード1
依頼人は嘘をつく
裁判所に駆け込む姫野京子(鶴田真由)。小法廷で審理に臨む所長塚田等(谷啓)に準備書面を届けようと急いでいた。一方、大法廷では、裁判が進んでいた。原告は、理不尽な異動を断り、解雇されたと訴える男性。被告、会社弁護人は高岡淳平(織田裕二)。同僚石田学(段田安則)や戸川光江(室井滋)が、裁判の流れを見つめる。反対尋問で淳平は、写真を示した。写っていたのは原告がライバル会社の社員から金らしきものを受け取る場面。旗色が悪かった裁判だったが、形勢は一気に逆転し、淳平は26連勝。「裁判は勝つことより、真実を明らかにすることが大切」。京子は、法廷から出てきて、インタビューに答える淳平に出くわし、その発言を聞いた。京子の胸の内に、憧れ?理想?ともつかない炎がともった。京子は、弁護士会館の図書室で、また淳平に出会った。「高岡先生が、目標なんです」と告白する京子。しかし、淳平は「だったら今すぐ弁護士を辞めたほうがいい」と、言い残して去っていく。淳平の裁判を京子は傍聴にいった。裁判は、有給休暇を強引に取ったとして解雇された女性の訴えを審理。原告弁護士はやり手。被告会社側の淳平の旗色は悪い。傍聴席に、原告の婚約者や同僚らを集め、淳平は有給休暇は不倫旅行だったと平然と暴く。裁判は淳平が勝った。法廷から引き上げる淳平を追い、前に回った京子。しばし見つめたあと「私あなたのこと許せません」と言い切るのだった。
46分 · 1995年10月18日