山一證券倒産の裏で最後まで闘い続けた社員たちの軌跡を、緻密な取材を重ね、著書としてまとめたノンフィクション作家・清武氏。彼が新たな題材として選んだのは、2001年に発覚し、政官界を揺るがした「外務省機密費詐取事件」だった。警視庁捜査二課に属する“石つぶて”たちが、組織に抗いながらも掘り起こしたこの事件の真相とは―。“三悪人”と呼ばれた外務省役人たちが起こした衝撃的な悪事とは―。
エピソード1
第1話
警視庁捜査二課の情報係係長に斎見晃明 (江口洋介) が着任する。情報係には、四課時代に斎見と合同捜査をともにした偏屈な刑事・木崎睦人 (佐藤浩市) がいた。木崎は、情報収集のために足しげく通う元国会議員の事務所で、外務省のノンキャリア職員に贈収賄容疑があることを知る。折しも九州沖縄サミットの開催が決まり、外務省に法外な予算が付く時期で、省庁の中で最も聖域とされる外務省への疑惑に木崎は興奮を隠せないでいた。
エピソード2
第2話
沖縄サミットの裏で不正を行っている外務省のノンキャリア職員がいるという情報を掴んだ木崎は、捜査二課の中でも保秘を徹底し、慎重に捜査を進めていた。その中で、政府要人が海外を訪問する際に支援業務を行う部署の室長、真瀬和則 (北村一輝) が一番力を持っている、という噂に辿り着く。霞が関中の銀行を練り歩き、真瀬の口座を探し続ける木崎。一方、斎見は、木崎のターゲットを探るためにある手段に出る。
エピソード3
第3話
残高が1億7千万という真瀬のあおば銀行の定期口座を見つけた木崎は、興奮を隠せずにいた。さらに、普通預金では、3年間に4億もの金が動いていた。前代未聞のサンズイ (贈収賄などの汚職のこと) の可能性に、斎見と協力し合うように勧める二課長 (萩原聖人) だが、木崎は聞く耳を持たずにいた。一方、口座の入出金を調べていた斎見は、あおば銀行に勤める女性行員に400万を渡している証拠を見つけた。
エピソード4
第4話
2000年7月。遂に沖縄サミットが幕を上げた。各国首脳と政府要人の世話対応に追われる真瀬。一方、第四知能犯 (ナンバー) に真瀬の聴取をお願いしたにも関わらず、何も動きがないことに苛立ちを覚える木崎と斎見。実はその裏で、警視庁内にも不穏な動きが巻き起こっていたのだ。中央省庁の中でも特別な外務省の室長である真瀬を聴取することのハードルを突き付けられた二人だったが、木崎はあることを決意する。
エピソード5
第5話
被疑者取調室の机を挟んで向かい合う真瀬と斎見。余裕の笑みを浮かべる真瀬をじっと睨む木崎。斎見は、複数の口座で動いている多額の金について追求するが、“父親からの遺産です”と言い切られる。一つ一つの入出金について問い詰めていくと、外遊の経費について語り出し、要人海外訪問支援室長という立場であるが故、多額の金を扱うのは妥当なことだと言い張る真瀬。この男のほころびを探る木崎だが…。
エピソード6
第6話
“喋ったら殺される金“の正体とはー。木崎は前代未聞の汚職事件の予感に身震いしていた。業者からの賄賂や単純な経費の不正流用ではないとしたら、一体何の金なのかー。捜査を進めていく中で、”機密費“というキーワードにたどり着く。ノンキャリア職員が機密費を流用するなどという事態が起こりえるのだろうか・・・謎ばかりが深まっていく。一方、真瀬の取り調べを受け、外務省にもある動きが巻き起こっていた。
佐藤浩市
江口洋介
北村一輝
萩原聖人
飯豊まりえ
笹野高史
津嘉山正種
佐野史郎