平凡ながらも家族仲よく暮らしてきた主婦・高野亜紀（菅野美穂）は、家族で憧れのタワーマンションに引っ越してきた。豪華ホテルのようなマンションでの新たな生活にウキウキする一家だったが、それもつかの間。そこには「フロア差別」「地獄のランチ」「強制ハロウィン」など、ここに住むセレブ主婦たちが作った『タワマンルール』があった。亜紀は、あぜんとしながらも子どもたちがこの新たな環境で浮かないよう必死でなじもうとする。そんな中、亜紀は上の階に引っ越してきたばかりだという佐々木弓子（松嶋菜々子）と出会う。本物のセレブだが全く偉ぶることのない彼女に亜紀は心を許し、幼い娘・そら（稲垣来泉）を連れて弓子の家を訪ねるようになる。その頃、連続幼児失踪事件＝通称「ハーメルン事件」が世間を騒がしていた。警察の捜査をあざ笑うように次々と幼児が失踪していくが、誘拐犯の手がかりは一切見つからない。ただ１つ、失踪現場に必ず残されている黄色いカーネーションを除いては…。その花には一体、どんな意味があるのか？

タワーマンションでの生活になじめずストレスを抱える亜紀 (菅野美穂)。そんな中、健一 (田中直樹) からも懇願され、“ベビーシャワー”の幹事を引き受けることになる。

亜紀（菅野美穂）とボスママ・寛子（横山めぐみ）との関係は悪化の一途をたどる。ハロウィーン仮装パレードの手伝いを強要するなど、寛子のいじめはエスカレートしていくが、それは弓子（松嶋菜々子）が寛子に密告し焚き付けたからであった。亜紀が唯一心を許せる隣人は弓子なのだが、彼女こそが亜紀を陥れる張本人だとは知る由もない。もう１人の救いである生方（岩田剛典）は、亜紀を励まし心の支えとなっていくが、結婚している亜紀に恋心を芽生えさせる。そんな２人の関係を妖しく見つめる弓子。そして弓子は、亜紀の娘・そら（稲垣来泉）との距離を近づけていく。一方、刑事の荒又秀実（光石研）は、湾岸エリアでハーメルン誘拐犯の声明文ともとれる落書きを発見。子どもたちが大勢参加するハロウィーン仮装パレードに犯人が現れると確信する。そんな中、不審な男の目撃情報が入り、亜紀が目を離した隙に娘・そらが連れ去られてしまう。必死に捜す亜紀だが、仮装した大群衆にまぎれ全く手がかりがつかめず…。

生方（岩田剛典）に励まされ、落ち着いた様子で自宅へと戻った亜紀（菅野美穂）。和樹（佐野勇斗）に見られていたとは知らず、生方から巻いてもらったストールをそっとエプロンに隠し、健一（田中直樹）に謝った。亜紀と生方の様子にショックを受け家に帰れないでいる和樹に、弓子（松嶋菜々子）は親しげに寄り添う。健一は亜紀と仲直りをするが、寛子（横山めぐみ）の夫・武文（津田寛治）から、仕事の契約をエサに強引な相談を持ちかけられる。自爆営業で武文に借りがある健一は断ることができず、流されるように武文の“あやしい副業”に巻き込まれていく。そんな中、亜紀に対する和樹の対応はますます冷たくなっていき、ついには和樹が警察に連行されてしまう。息子の何を信じればいいか分からない亜紀に、いつもは優しい弓子が「最悪の母親ね」と冷酷な言葉をあびせ始める…！