ヨーロッパから見放された国へ赴くことが、票を集める秘訣であると見いだしたアベランジェ。前途多難なアフリカへの視察に発つ。成功させるには、意見の食い違うペレの協力が必要だった。一方、物語の新たな登場人物となったイザベルはカストル･デ･アンドラーデと運命的に出会い、独自の旅を始める。

ＦＩＦＡ会長選の時を迎え、激しさを増すアベランジェの票集め。ハドゥエは、きたるべき未来の鍵を握るダスラー家とアディダス家の歴史をひもとく。ギャンブルへの熱が再燃し、イザベルとカストルの関係はますます深まっていく。

投票の結果、思いがけない幸運に恵まれたジョアンが当選し、ＦＩＦＡ会長に就任する。イザベルはともにスイスに移るが、チューリヒは自分の居場所ではなく、ジョアンともやっていけないと感じていた。アベランジェは権力を確固たるものにしようとするも、ヨーロッパの古い慣習が残る世界でケザーが障害となり、組織を大きくする計画はつまずく。

アベランジェがアルゼンチンで予定しているワールドカップは軍事政権によるクーデターで開催が危ぶまれる。ヨーロッパ側に根回しして、開催地の変更を企てるケザー。さらにワールドカップに保険をかけられないよう手を打つことに。イザベルとの仲も壊れかねないが、会長として初のワールドカップを成功させるため、アベランジェは法律を無視した行動に出る。

アベランジェはＦＩＦＡ会長として初めてのワールドカップを迎えるが、思いどおりに進まない。軍事政権を非難する禁断のビデオが出回り、アルゼンチンの組織は大混乱。アベランジェの結婚生活も破綻する。ダスラー兄妹からのプレッシャーやアルゼンチンの独裁政権からの脅しを受けたジョアンは、試合を不正に操作し、唯一愛するサッカーを自分の手で汚すかどうか決断を迫られる。