インターネット通信制大学の講義映像として配信された「立川談志」の8時間にも及ぶ映像講義。
エピソード1
落語とは
落語も知らない、談志も知らない聴講生を想定した第1回。歌・映画・舞台など、全てのエンターテイメントに通ずる落語。現実社会に存在する“常識”と“非常識”を分かりやすく表現している落語の魅力を語る。初回とは思えぬほどの奥深い内容に“立川談志・落語の世界”に一気に導かれる。
エピソード2
落語の誕生
歴史の教科書には当然ながら載っていない落語の歴史。祖は室町時代か戦国時代か諸説あり。江戸時代になぞかけや小噺を得意として人気のあった鹿野武左衛門の話、小野小町の「百夜通い」「慶安太平記」と巷の歴史書よりも談志流・大学講義は気高く尊い。
エピソード3
名人の系譜
円朝、円生、円喬、円右、円左、小円朝、万橘、円遊、円太郎、そして志ん朝。人情噺や滑稽噺、どちらも巧みな落語家こそが名人にふさわしいと言われる。明治・大正・昭和・平成、落語界を牽引し、庶民を虜にした名人たちを、演目を交えながら解説する。名人たちのクセ・口調を真似ながら解説する立川談志は他で見ることはできない。
エピソード4
爆笑王
円遊、三語楼、金語楼、権太楼、歌笑、三平など明治~昭和に時代を席巻し爆笑王と呼ばれた名跡を解説。では、なぜ今日の日本に爆笑王は不在なのか、時代が変わったのか、人がいないのか。「日本教について」(山本七平 著) を交えて語る。談志が八代目桂文楽の「按摩の炬燵」の一節を見せる貴重な回。
エピソード5
駄洒落
駄洒落 (ダジャレ)、なぞかけ、回文、小噺などは、「一分線香即席噺」とも呼ばれる、いわゆる“ことば遊び”。中でも駄洒落は、落語のサゲ (落ち) の手法の一つとして多く用いられている。今回は落語と駄洒落の関係と、その数々の演目を紹介する。「蜀山人」の狂歌を解説する立川談志の映像はこの講義のほかにはないであろう。
エピソード6
落語家のシステム
落語家になるためには、弟子入り、前座、二つ目、真打と段階があり、立川流はアメリカの大学と同じく、入るのは容易だが卒業〈真打〉は、なかなか難しいらしい。江戸・明治・大正・昭和、日本の暦、四季、人々の生業、有りと有らゆるものを題材にする落語の世界。全8回の講義の中で最も多くの演目を取り上げ解説する見応えある回。