榎本加奈子主演。小川ちひろは、「オズの魔法使い」の舞台に感動して以来女優を夢見る小学4年生。だがある人物の策略により、父を自殺に、次いで母を獄中死に追いやられる。何不自由なかった社長令嬢から一転、たった1人で生き抜かなければならないちひろ。そんな彼女を通して「夢」と「家族」を描く。
エピソード1
#1
小学4年生の小川ちひろ(尾崎千瑛)はミュージカル『オズの魔法使い』を夢中になって見ていた。このときちひろは「自分も女優になる」と心に決めていた。両脇では会社社長の父・直之(冨家規政)と母・久美子(斉藤慶子)が愛情深く見つめていた。一方、外では大雨の中、直之の運転手・中野(小木茂光)の元に、息子・健一(塩顕治)が妻の危篤を知らせに来ていた。半年後、運転手を辞めた中野は、直之の会社の新製品のアイデアを盗み一足先に格安で発売し、直之の会社は返品の山となる。
エピソード2
#2
中野(小木茂光)の会社に押され新製品の売れる見込みがなくなった直之(冨家規政)の会社では、次々と退職願いが出されていた。クリスマスイブの夜、銀行に融資を断られた挙句、倉庫の中の在庫も盗まれた直之は失意の中にいた。一方、家では久美子(斉藤慶子)とちひろ(尾崎千瑛)がケーキを焼いて直之の帰りを待っていた。帰宅した直之は、ちひろにドロシー人形が踊るオルゴールを、久美子にはライオンのペンダントを贈る。児童劇団に通うちひろは、両親のために「オーバー・ザ・レインボー」を歌う。しかし翌朝、直之は会社の倉庫で首を吊る。
エピソード3
#3
直之(冨家規政)の死後、会社は倒産。家も抵当に取られた久美子(斉藤慶子)とちひろ(尾崎千瑛)は、久美子の弟・隆(甲本雅裕)の経営するうどん店「けむりや」に住み込みで働くことになる。しかし、隆の妻・美由紀(岩崎良美)は2人に辛く当たる。さらに、ちひろが転校した小学校には、中野(小木茂光)の息子・健一(塩顕治)も通っていた。自分の母親が亡くなったのは小川一家のせいだと思っている健一は、ちひろをいじめ始める。
エピソード4
#4
「けむりや」の給料だけではちひろ(尾崎千瑛)を劇団に通わせられず、久美子(斉藤慶子)は歩合の良い内職を見つける。だがそれは中野(小木茂光)の会社のものだった。久美子がためらっていると、中野はさらに工賃を倍にすると持ちかける。ちひろの夢のため、久美子は引き受けることにした。しかし働き詰めの生活は、1年前にガンの手術をした久美子の体をむしばんでいた。工場長の秋葉(赤塚真人)にも横恋慕され、久美子は疲労の度を増していった。
エピソード5
#5
春になり、ちひろ(尾崎千瑛)は劇団公演の主役に選ばれていた。久美子(斉藤慶子)はずっと咳が止まらず病院で検査を受けると、ガンが再発していて一刻を争う状態だと知る。しかし、ちひろの今後の人生を守るためには入院するわけにはいかないと悩む。一方、中野(小木茂光)は会社の隠された秘密を知る秋葉(赤塚真人)を消そうと考え、久美子にワナを仕掛けようとしていた。何も知らない久美子は、中野に援助を求めに来る。
エピソード6
#6
ガンが再発した久美子(斉藤慶子)は、中野(小木茂光)の元へ今後のちひろ(尾崎千瑛)の劇団費用を貸してほしいと頼みに行く。一方、中野は部下の名越(小林すすむ)に、久美子をワナにハメるよう命令する。そんな中、ちひろの誕生日を控えた久美子は、かかしとブリキマンのマスコットを手作りし、あとはブリキマンの胸に入れるハートを探していた。翌日、久美子に会った名越は、そっと久美子の髪の毛とセーターの繊維を取る。中野のワナは始まっていた。