何もかもを失った王妃・陸安然(りく・あんぜん)は、記憶を留めたまま15年の時を遡った。子や親の命をも奪った夫――後に皇帝となる慶王・穆澤(ぼく・たく)に復讐するため、彼女は密かに、そして強かに戦い始める…。
エピソード1
第1話
蘇城(そじょう)最大の商家・陸(りく)家の安然(あんぜん)は、18歳の誕生日を迎えた。それを機に、彼女は父・軽舟(けいしゅう)から“双魚令”を受け継ぎ、陸家の新たな当主となった。そんななか陸安然は、陸家の商売相手・蔡(さい)の護衛を務める穆懐恕(ぼく・かいじょ)と出会う。彼は安然に一目ぼれをしたと告げ、別れ際に婚約の証しとして玉佩を手渡すのだった。それから2ヶ月後、陸家に突然、朝廷からの使いが…。
エピソード2
第2話
婚姻から5年。その間に陸安然(りく・あんぜん)は毓(いく)という男の子を授かったが、その一方で慶(けい)王・穆澤(ぼく・たく)は蕭映(しょう・えい)将軍の妹・驚雀(きょうじゃく)を側室に迎えた。宮中での生活には慣れたものの、穆澤は公務で忙しく、安然は一抹の寂しさを抱えていた。しばらくして、蕭驚雀の懐妊が明らかに。しかし彼女は、所詮側室である自分の子は世子にはなれないと嘆くのだった。そんななか、毓が不慮の事故に遭い…。
エピソード3
第3話
1ヶ月も昏睡状態が続いた陸安然(りく・あんぜん)。意識を取り戻した彼女は、戦死した弟・昀(いん)がすでに埋葬されたこと、そして3日前に陛下が崩御し、夫の穆澤(ぼく・たく)が新たな皇帝となることを知るのだった。それから3年の月日が。宮中が落ち着きを取り戻し、安然の悲しい記憶も徐々に薄れつつあった頃、彼女は第二子を懐妊する。一方、即位してから残忍な一面を見せるようになった穆澤との間に生じた溝は深まり…。
エピソード4
第4話
「明日が成人の儀なの?」と、陸安然(りく・あんぜん)は自問自答した。水雷の実験、船を襲う盗賊――この景色は10年前、彼女が目にしたものと何ひとつ違わない。あの時と同じように、襲われた船に近づくよう命じる安然。自分は宮廷を焼き尽くさんばかりの炎に巻かれ、倒れたはず。だがそこには、盗賊を相手に刀を振るう若き穆澤(ぼく・たく)の姿があった。“あの日”に戻ったことを確信した安然は、憎むべき仇敵に猛然と斬りかかるが…。
エピソード5
第5話
陸安然(りく・あんぜん)は、傍若無人な武官・高承賢(こう・しょうけん)から冬青(とうせい)を救った。恩を感じ、安然の侍女にしてほしいと申し出た冬青。安然の側仕え・霊奚(れいけい)は初めこそツンケンしていたものの、すぐに打ち解け、姉のような優しさを見せるのだった。そんななか安然は、母の病が治らない原因が、陸家の第二夫人・柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)にあるのではないかと疑い、霊奚たちとともに調査を開始する…。
エピソード6
第6話
慶(けい)王の代理で、陸(りく)家へ婚姻の申し込みに来たという蔡望津(さい・ぼうしん)。安然(あんぜん)は、驚く父母を尻目に、「相手は私のはずよ」と告げた。逃れられぬ運命なら立ち向かい、愛する人々を守る――彼女の心は、すでに決まっていたのだ。王妃という籠の中の鳥のような存在になることを選んだのは、兄である慶王への愛ゆえの決断なのだと信じ込んでいる穆川(ぼく・せん)に対し、安然は「ただの取引よ」と言い放ち…。