文明が崩壊し、荒野となった近未来の世界。人々は、旧時代の文明の遺物を活用し、貧しいながらも逞しく暮らしていた。少年ギアはジャンク屋で働く裏で、４つの人格を持つロボットQu-0213、ギャンブル狂のシロクマとチームを組み、不当に奪われた品を取り返す“盗み屋”を営んでいた。ギアの夢は、育ての親である親方の病気を治し、生まれ育った街から出ること。「地平線の向こうに何があるのか、自分の目で確かめる」という希望を胸に、働き詰めの毎日を送っていた。ある日、殺し屋に追われる謎の少女ノアを助けた事をきっかけに、チームに一世一代の大仕事が舞い込む。それは、街の中央にそびえたつ超巨大タワー・天神ポールに忍び込み、ノアの父親の形見を取り返すこと。多額の報酬に釣られ、盗みの計画を進めるギアたちだったが―。

ギア・シロクマ・Qu-0213が天神ポールから依頼品を盗み出した翌日、街では昨夜の盗難騒動が一大ニュースとなっていた。お尋ね者となってしまった3人は、警察から身を隠しながらジャンク屋へ戻る。依頼主であるノアから多額の報酬を受け取ろうとするが、肝心のノアの姿がどこにも見当たらない。困惑する3人のもとに、そのノア本人から連絡が入る。それは「報酬の支払い場所を変えてほしい」というもので―。

長年の夢だった、街の外に出ることが出来たギア。だが、感動に浸る間もなく、次から次へと現れる殺し屋に狙われ続けていた。依頼主のノアとも連絡が取れず、愛車のバレットもガス欠寸前。激しい追撃から逃れる中、ギア・シロクマ・Qu-0213は、地図にも載っていない、無人の街に辿り着く。そこでギアは、殺し屋たちを一網打尽にする、とある作戦を思いつく。

首都の警察に逮捕されてしまったギア・Qu-0213・ノア。シロクマともはぐれてしまい、地下処理場へ連行される一行。処分される危機一髪のところで、なぜか拘束を解かれる。リンと名乗るその警官こそ、ノアの仲間で、ギアたちを救う『首都の内通者』だった。リンに案内され、美しい首都を巡った一行は、やがて謎の組織のアジトに辿り着く。そこでギアたちは、この世界の衝撃の真実を知るー。