ダブルチート 偽りの警官

交番勤務の警察官・多家良啓介（向井理）の裏の顔は、法で裁けない相手を狙う「詐欺師Ｋ」。一方、警視庁捜査二課に配属された元銀行員の宮部ひかり（内田理央）は、コンサルタントの鹿野（勝村政信）が大金を騙し取ったにもかかわらず、被害者の須永（小林隆）が責任を負わされる現実に憤る。事情を知った多家良は、詐欺の相棒・矢柴等（荒川良々）と鹿野を陥れるべく画策するが……。多家良が「Ｋ」となった真の目的とは――。

上京してベンチャー企業に就職した岡田（小林虎之介）は、奨学金の代理返還制度を悪用した詐欺に遭う。岡田が車道に飛び出したところを救出した多家良は、社長・猪俣（塚本高史）と就職エージェントの御子柴（水橋研二）が結託して岡田を騙していたことを見抜き、猪俣に近づく。同様にひかりも奨学金詐欺の実態を知るが、二課では捜査できないジレンマを抱え……。そんな折、係長の堀北隆司（梶原善）から、多家良の過去を聞く。

矢柴は恩人のシェフ・榊（平山祐介）が、全国にチェーン展開する有名フランス料理店のオーナーになることを知る。しかし、それはフードコーディネーターを名乗る味岡（石黒賢）による詐欺であり、榊は初期費用の３０００万円を騙し取られてしまう。味岡を出し抜くため、多家良と矢柴が大胆不敵な作戦に出る一方、ひかりと二課の統括主任・山本貫太（結木滉星）は味岡のペーパーカンパニーを登記した人物の行方を追い始めるが……。

多家良が捜査二課で最後に担当した事件について調べていたひかりは、警察のデータベースの中に“ヤマガミ”なる謎の名前を見つける。一方、ちまたでは“墓じまい”に目を付けた詐欺師・倫子（映美くらら）が、僧侶に扮した悠哉（中山翔貴）と東京郊外の寺で詐欺を重ねており、ひかりはその事件を所轄で聞きつけ単独で追い始める。その頃多家良も、倫子が“ヤマガミの女”との噂を耳にし、同業者を装って倫子に接近するが……。

多家良の恋人・柊麻美（松本若菜）が失踪したことを、交番巡査の阿部直樹（上川周作）から聞いたひかり。そして課長の岩合拓真（伊藤淳史）を問いただしたひかりは、多家良が捜査二課を去ることになった２年前の事件の全容について知ることに。一方、多家良は「恋人の口座から出金があった」という岩合の言葉が頭を離れない中、麻美との思い出から脱却しようともがく。そして、ついに因縁の大物詐欺師・ヤマガミが動き出す――！？

岩合に命じられ、“Ｋ”の正体を追うことになるひかりと山本。一方、多家良はついにヤマガミ（鈴木浩介）とかつて一緒に詐欺を働いていた千堂（前川泰之）に行き着き、次の標的に定める。千堂は実在する台北興業と取引があるとうそぶいて投資詐欺を行なっており、顧問弁護士として接近する多家良。作戦は順調に思われたが、被害者側の弁護士・山内（モロ師岡）が現われ……。果たして多家良はヤマガミにたどり着けるのか――。