『華人形プロジェクト』のオーディションを受ける少年たち。彼らは皆、暗然たる過去を胸に臨んでいた。秘密を有していたのは彼らだけではない。主催のプロダクションは、合格の条件に、完璧なアイドルとして「開花」を促すべく人生と引き換えに特殊な「種」を体内に埋め込む手術を受ける契約にサインを求める。拒否する者などいない。何を代償にしようと、必ず『夢』を叶えてみせる――果たして、彼らの覚悟は華を咲かせるのか。
エピソード1
華人形はアイドルの夢を見るか?
オーディションに合格した6名は正式デビューを目指して共同生活を始める。皆、緊張をほぐそうと触れあうが、一人、慣れ合いを拒む者がいた。空気は最悪。レッスンはミスだらけ、ユニットとしてもまとまらない。そんな中、プロダクションから厳しい通達が――
エピソード2
それは悲劇でなく喜劇
メンバーを頑なに拒絶し、孤立していく理人。責任感の強い眞紘が懸命にとりなすが、空回りするばかり。脳裏をよぎる雨の日の記憶。歪んだ残像が「あいつ」を強く意識させる。同じ香りのする、蓋をしたはずの感情。レッスン最終評価テストを目前に、理人に異変が――
エピソード3
見えない華は箱の中
ついにプレデビューが決まり、Anthos一行はMV撮影のロケへ向かう。はしゃぐ声の中で独り、浮かない顔で「彼」を見ているチセ。その瞳にだけ映る、心の色――プロダクションの冷酷な宣告により、複雑な色がAnthosを蝕んでいく。そしてまた一人、新たな異変が――
エピソード4
華は呼び名を変えても甘く香る
華を咲かせた薫を祝福するメンバーの声。焦り、妬み、不安、苛立ち――本気だからこそ本音が滲む。開花した者、しない者。秘めた過去と混ざり合い、埋まりかけた溝がまた深くなる。偶然か、必然か。ぶつかり合う吐露に共鳴し、新たな蕾が震えだす――
エピソード5
時計仕掛けのレベルアップ
ついにAnthosにも大きなTVの仕事が入った。有名アイドルとも共演できるアイドル対抗運動会は、駆け出しの彼らが顔と名前を売る絶好のチャンス。張り切るAnthosだが、そんな彼らを「改造人間」だと嗤う声。業界にたかるハイエナの影が忍び寄る――
エピソード6
317号室の一期一会
待ちに待ったリリースイベント、そして公開記者会見。歓喜と興奮の晴れ舞台に――なるはずだった。Anthosの人体改造手術にゴシップ記者が噛みつく。眞紘の秘密が暴露され、メンバーに動揺が走る。華が、開花が――彼らを引き裂き、焦燥と暴走を生んでいく――
山下誠一郎
濱野大輝
伊東健人
駒田航
土岐隼一
増田俊樹
たかたまさひろ
高橋竜