南米ベネズエラ。テーブルマウンテンが林立する秘境の奥、謎の機械生命体に巨大ロボ・人機で立ち向かう少女・青葉がいた。3年後の東京。キョムと名乗る組織の人機に世界が恐怖する中、秘密機関アンヘルの少女・赤緒は仲間と共に人機で立ち向かう。© 綱島志朗/マッグガーデン・アンヘル日本支部
エピソード1
少女が見た戦場
廃墟と化した東京都心部、二体の巨大ロボット――人機が激闘を繰り広げていた。劣勢を強いられる青い人機のコクピットで、黒髪の少女が呟く。「消すしかない……あの娘を!」 1988年の日本。プラモ好きの中学生・津崎青葉は、突然現れた女装男に連れ去られてしまった。隙を見て逃げ出した青葉は、自分の居場所が日本とは思えぬ密林であることを知る。彷徨った末、青葉が見つけたものは秘密基地と人機――モリビト2号だった。追っ手から隠れようと、モリビト2号に入り込んだ青葉は、秘密組織アンヘルと古代人機の戦いに巻き込まれてしまう。 時は変わって1991年。柊神社の心優しい娘・赤緒に、過酷な運命の足音が忍び寄っていた……。 [SF/ファンタジー][ロボット/メカ]
エピソード2
涙のあと
訳もわからぬまま人機の操縦桿を握り、敵を撃破した青葉は、ベネズエラの密林、アンヘルの秘密基地へと帰等する。そこで青葉を待っていたのは、ずっと音信普通だった母・静花だった。略取同然の行為を非難する青葉に、静花は自分の目当ては彼女が相続した莫大な遺産だと答える。静花に反抗し、青葉は基地を手伝いながら宿舎で寝泊りすることに。書庫の資料整理中、青葉が発見したのはモリビト2号のマニュアル。メカ好きの青葉は人機の操縦に興味を持ち、そしてある日、両兵と現太に隠れて、古代人機の迎撃に発進したモリビト2号に乗り込んでしまう。<1991>赤緒を敵と勘違いした両兵の誤解も解け、カップラーメンを挟んで橋の下で向かい合う二人。しかし、両兵の発した「血統」という言葉が、赤緒の心に引っかかって離れなかった。
エピソード3
質と量
青葉が勝手にモリビト2号に乗り込んだせいで、現太は右腕に重傷を負ってしまう。皆の非難の眼差しに耐え切れず、基地を飛び出した青葉は、回収部隊ヘブンズを名乗る二人組・黄坂南とルイに出会う。
エピソード4
対面
モリビト2号の下操主として訓練を開始した青葉。しかし、長年の家に籠りがちな生活の積み重ねで、体力トレーニングに全く付いていけず、ルイからバカにされる始末。
エピソード5
敵と味方と
「アンタが何と思おうと、人機は人を殺すための道具……」静花の言葉を振り払うように出撃した青葉、そして両兵の前に現れたのは、モリビト2号の後継機として開発された人工人機・トウジャCXだった。
エピソード6
黒の操主
<1988>トウジャCXの操主が広世だと知ってしまった青葉は、モリビト2号で出撃することを拒む。ルイが下操主として両兵とペアを組むが、青葉のパフォーマンスには程遠く、トウジャCXの襲撃からギリギリの所で基地を守っている状態だ。南とルイに一杯食わされ酔っぱらった青葉は、2人に散々クダを撒き、酔いつぶれて眠ってしまう。翌朝、迷いを抱きつつもどこか吹っ切れ、「何もしない自分は一番イヤ!」と、再びモリビト2号の下操主席に乗り込む青葉だった。だが広世は人機を操る術のみを存在意義として、いずれ青葉と戦わせようという静花の思惑の元で育てられてきた少年だったのだ。<1991>さつきたちが戦いで傷ついていくことに心を痛める赤緒。しかし赤緒は、自分の中に戦うことを押しとどめる何者かがいるのを感じ取っていた。そして赤緒たちを監視するシバは、邪悪な策謀を胸に抱き、密やかな微笑を浮かべていた。
荒川稔久