白虎の村に生まれた双子の兄妹。預言者ナギは“運命の子供”の誕生だと言った。村人の期待を一身に背負いたくましく成長する兄、タタラ。兄を尊敬しながらも心にわだかまりを持って育つ妹、更紗。運命の出来事は二人が15歳の時。赤の王率いる軍勢が急襲し、運命の少年、タタラは討たれてしまった。混乱する村中で更紗は、“タタラ”を演じる。その日から、少女は戦乱の世に飲み込まれていくのだった…。
不思議な男、揚羽の助けで、白虎の刀を取り戻せたタタラ(更紗)。だが矢傷を負ってしまい温泉で治療をしていた。そこに馬を引いた青年が現れた。彼の満ち溢れた自信、天真爛漫さに心ひかれる更紗。だがその青年…朱理の正体は敵対する赤の王だった。そして朱理も更紗=タタラとは知らず、彼女にひかれ始める。運命のロマンスの幕が開けた…。
タタラ(更紗)たちは、赤の王に捕らわれた柚香や村の人々を救うため出陣する。だが、間近に迫った敵の姿に心馳せるタタラは飛び出してしまう。罠にはまり絶対絶命のタタラをかばい柚香が切られる。長老はタタラのために身を呈して退路を確保した。助けようとした人間が、自分のせいで死んだ。悲しみと自己嫌悪にタタラは泣き崩れる…。
「朱雀の宝刀は桜島にある…」長老の最期の言葉を頼りに九州に渡る方法を求める更紗(タタラ)は、赤の王の都・蘇芳の都に潜り込んだ。そこで旅芸人の一座にいる帰蝶と名を変えた揚羽と再会した。だが、赤の王の片腕、四道に一座がタタラを匿っているという疑いを持たれてしまい、更紗は演目の最中に抜け出し関門海峡を目指す。
揚羽の協力で蘇芳を脱出した更紗は、かつて九州へ続いていたという海底トンネルに足を踏み入れた。その試練ともいえる闇で更紗は、かつては朱雀の羅生ともいわれた男のなれの果てに出会う。男のその狂おしい執念が更紗の心を激しく打つ。そして、トンネルを無事抜け出した更紗は大宰府へとたどり着くが…。
運命の少年タタラを名乗る少年ハヤトは、四道に踊らされ反乱勢力を一掃するために利用されていた。病の母のため、あえて誘いに乗るハヤトの姿に心動かされた更紗は、罠にはまったハヤトを救出する。一方、九州にタタラが姿を現したことを知り、大宰府入りをした四道を、婚約者の千手姫が出迎えるが…。