時は平安…。安倍昌浩は、稀代の大陰陽師・安倍晴明の孫でありながらも、妖を見る力『見鬼』の才がなく、陰陽の道を諦めていた。しかしその他の道にも才能を見出せず途方に暮れていたところ、突然白い物の怪と出会う。そんな中、都では謎の妖が跋扈しており、晴明にその退治を頼まれた昌浩は、物の怪を『見鬼』の才のない自分の目の代わりにして、調伏に向かうのだが…。
陰陽師の見習いとして陰陽寮に出仕するようになった昌浩。元服の儀を終わらせ、父親である吉昌と左大臣・藤原道長のもとに報告のため出向き、その一の姫・彰子と出会う。彰子は普通の人には見えないはずの物の怪であるもっくんが見える『見鬼』の才の持ち主だった。 昌浩もようやく見習い陰陽師として陰陽寮での雑事にも慣れ始めた中、内裏で突然火の手があがる…。
先日の内裏炎上で身を守る結界が壊れた彰子は、晴明により再び強固な結界を張ってもらった。また昌浩は、その火事の原因を苦手な占いで探ろうとするも、その占いの意味がわからずやきもきしていた。内裏の復興もなかなか進んでおらず、占いでは埒があかなくなった昌浩は、同じ妖怪である百鬼夜行に情報がないか訊きにいくが、そこで火事の時と同じ妖気を再び感じ…。
紅蓮の炎が効かず、取り逃がしてしまった謎の妖の正体を思案しながらも、陰陽寮の日々の仕事に追われる昌浩。疲れ果てて書簡庫で居眠りしてしまうが、その夢でまた新たな妖怪が姿を現した。調べてみると、どうやら先日の牛の妖怪も、夢に出てきた妖怪も異邦の化け物だった…。なんとか居場所を探ろうと、隠れている雑鬼たちを探し出し問い詰めていると、瘴気と共に何者かの声が背後から響き…。
とうとう姿を現した妖怪たちの主、それは西の国に伝わる古の妖・窮奇だった。あまりの力の差に、昌浩は紅蓮に逃げるように言うが、紅蓮は昌浩を庇って怪我をしてしまう。なぜ紅蓮がそこまで昌浩を守るのか…。それは誰もが怯える自分に、幼い頃の昌浩が怯むことなくまっすぐに見つめてきたからだった。そして窮奇との戦いに苦戦していると、突然何者かが現われ、凄烈な霊気が辺りを満たし…。
異邦の妖・窮奇を探すため、昌浩は夜に都の見回りをするも、窮奇は見つからず、雑鬼たちが次々と襲われていく。手掛かりを得るため、襲撃の現場に行ってみると、そこには恐ろしげな顔の牛車の化け物がいた。そんな中、窮奇を見つけることができない昌浩に対し、晴明の式である十二神将・青龍は業を煮やし始めていた。また、青龍は過去になにやら紅蓮と確執があったようで…。
中博史
声の出演
谷山紀章
立木文彦
杉崎亮
杉山紀彰