民初八行伝～正しき反逆者たち～
民国時代初期。日本留学から帰国した華民初は北京に向かう列車に乗っていた。車中で南方政府の使者の暗殺騒動に巻き込まれ、8つの特殊技能を武器に裏社会で生きてきた「八行」と名乗る異能の集団に出会う。八行は“十行者絵巻”を至宝としており、これを所有する者は「持巻人」と呼ばれ、八行を束ねる唯一の存在として八行を解散する権限を持っていた。ひょんなことから八行のリーダーになってしまった民初は、裏社会で暗躍してきた八行を解散し、近代社会で生きていくための世話をする旅に出ることに。しかし、突然課せられたかに見えるこの重責は、偶然の産物ではなかった。幼い頃に両親を亡くし、豪商･鍾家に引き取られて令嬢の鍾瑶と義姉弟として育ってきた民初の出自もまた八行と深い関わりがあり…。