東京近郊にある温泉地。ホールでは、南海奇術団の范夫妻(竹中直人・余貴美子)によるナイフ投げが行われていた。妻・路子の体の脇に次々とささるナイフ。一瞬、路子の顔に恐怖が走った。首筋にグサリとナイフがささり、場内は騒然となった。桜井検事(高橋悦史)の取り調べに対し、ショーの司会者・田口(及川いぞう)は、范夫妻の赤ん坊が死んで以来、二人の仲が悪くなったと語った。范は、殺意はなかったが、前の晩夫婦喧嘩をして、気持ちがむしゃくしゃしていたと述べた。調べが進むうち、赤ん坊は路子の過失死に、2人の子供ではなかった事が判明…。(C)近代映画協会
