青蘭学園に入学し、学園生活に胸をふくらませる奈々子が目にしたのは学園で羨望を集める三人の美しき人たちと選ばれた者のみが入会を許される華やかな社交クラブ“ソロリティー”。思いがけずソロリティーメンバーに選ばれた奈々子は周囲の嫉妬と羨望の中で、愛、憎しみ、友情、対立…、様々な運命に巻き込まれていく…。
エピソード1
華麗なる人びと
私立性蘭学園高等部の1年B組に入学した御苑生奈々子。そこは右大将、薫の君=折原薫。宮さま=一の宮蕗子、サン・ジュスト=朝霞れいという三人の美しい先輩生徒たちと、彼女たちに憧れの眼差しを送る乙女たちの花園であった。そして、この学園には“ソロリティー”と呼ばれる華麗な社交クラブが存在し、今年は十名の新入生が入会できるのだという。驚きと戸惑いの中、奈々子の高校生活がスタートする。
エピソード2
ガラスの靴
ソロリティーメンバーズ候補生発表の日。1年B組で読み上げられたのは、信夫マリ子、折原薫、そして奈々子の名前だった。ソロリティーに憧れていたマリ子は、入学以来、見初めていた奈々子までも選ばれたことに喜び、ソロリティーの存在に異議を唱える薫は辞退する。そして奈々子は―。有力候補と言われながらも落選してしまった三咲綾は、何も取り柄のない奈々子の合格に納得いかず、宮さまに抗議する…。
エピソード3
奈々子 失格?
ソロリティー候補生に指名されて以来、悪質な嫌がらせが奈々子を襲う。残酷とも言える仕打ちの数々に耐えきれず、正式メンバーの選考会を兼ねたパーティーへの出席を辞退しようとする奈々子だったが、親友の智子の励ましに思いとどまる。パーティーの前日、開始時刻が遅くなったとの連絡を受けた奈々子。だが、校門をくぐった奈々子は、自分を迎えたマリ子の慌てように、既にパーティーが終了したことを知る…。
エピソード4
オルゴール
パーティーの翌日、ソロリティーの正式メンバーが発表され、そこにはマリ子と奈々子の名が。パーティーに出席しなかった自分の合格に驚いたのは奈々子だけではなかった。妬ましさのあまり、奈々子の母についての中傷を始める三咲、そしてソロリティー合格の報を聞いて、心が離れていく親友の智子…。徐々に孤立していく奈々子の姿を見て、マリ子は今こそ彼女の心を独占しようと微笑む…。
エピソード5
疑惑の刺
ソロリティー入会の儀式の日、準備作業に駆り出された奈々子たち。だが奈々子は、そこで信じられない光景を目撃し、愕然となる。宮さまが、サン・ジュストの手にわざと剣山を落としたのだ。どうしてそんなことを!? 何かに憑かれたように宮さまに手当を求め続けるサン・ジュスト…。見かねた奈々子は傷の手当てを始めるが、そんな奈々子もまた、宮さまの氷のような視線にさらされるのだった…。
エピソード6
迷い道、ひとり
ソロリティーメンバーに選ばれて以来、今や学校中が奈々子の敵になっていた。そして親友の智子まで…。持ってきたはずのスポーツバッグが見あたらず、智子に体操着を借りようとする奈々子。だが智子は、ソロリティーメンバーに貸すような上等な体操着はないと、言い放つ。その上、ロッカーから出てきたバッグにはズタズタに切り裂かれた体操着が…。ついに奈々子はソリティー退会を決意し、宮さまに伝えようとするが…。
笠原弘子
戸田恵子
勝生真沙子
出崎統