長年、神戸市立王子動物園で暮らしていた雌のジャイアントパンダ・タンタン。 もふもふとした小さな体に短い手足。食べるときの姿勢が上品に見えることから“神戸のお嬢さま”と呼ばれ、多くの人たちに愛されてきました。 阪神・淡路大震災で傷ついた人たちを癒す復興のシンボルとして2000年に雄のコウコウとともに来日したタンタン。 その愛くるしい姿は、被災して暗い気持ちにいる人たちを明るく照らしました。 一方でタンタンのパン生は決して平たんなものではありませんでした。生まれたばかりの赤ちゃんを失い、パートナーのコウコウも急死。一頭だけ動物園に残されたタンタンも心臓を患い、命の危機に陥ります。そんなタンタンに寄り添い続けたのは、二人の飼育員と獣医師でした。本場中国でも経験のない、世界初の治療に向き合うタンタンの姿は、多くの人たちに勇気と感動を与えました。そして、2024年3月31日、二人の飼育員や獣...
