唐木市兵衛(向井理)は侍ながらそろばんの技を持ち、期間雇用でさまざまな家の家計を預かる渡り用人。仕事をあっせんする口入屋の矢藤太(渡辺いっけい)から頼まれ貧乏旗本の家に雇われるが主の道久は女郎と心中死体になって上がったばかり。後には未亡人の安曇(村川絵梨)と嫡男の頼之(鈴木福)が残されていた。道久には五十両もの借金があったが、金の行方を探った市兵衛は心中相手の女郎に注ぎ込んだという話に不審を抱く。[TAIG](C)NHK
道久が殺された背景にあへんの密輸密売があると知った市兵衛(向井理)は、跡継ぎの頼之(鈴木福)とともにその元締めである薬種問屋「柳屋」を訪れ、主人の稲左衛門(鶴見辰吾)に面会を求める。留守と断られた市兵衛は、その帰路、稲左衛門が命じた3人の女武芸者に襲われるものの撃退する。そこに現れたのは、先日刀を交えた小人目付の返弥陀ノ介(加治将樹)。連れて行かれた先は筆頭目付・片岡信正(筒井道隆)の屋敷だった。[TAIG](C)NHK
父の仇(かたき)を討とうと陰謀の黒幕・柳屋の床下に潜入した頼之(鈴木福)は、同心の渋井(原田泰造)と鉢合わせに。そこで稲左衛門(鶴見辰吾)によるアヘン密輸と禁制の蝦夷地図持ち出しの陰謀を知るが、青(山本千尋)に気づかれてしまう。行き先を察した市兵衛(向井理)が柳屋に向かうと店はもぬけの殻。しかし隠れていた頼之は無事だった。市兵衛は兄・信正(筒井道隆)の元に参じ、頼之のあだ討ちへの助太刀を願い出る。[TAIG](C)NHK
市兵衛(向井理)の新たな勤め先は内藤新宿(しんじゅく)の呉服店・磐栄屋。しかし店は、主人・天外(高橋克実)が賊に襲われたばかりか、お上からの召し上げ話で立ち退きを迫られていた。大事な仕入れの場である秩父の絹市を前に、娘のお絹(小芝風花)が代わりに行くことを願い出るが天外は首を縦に振らない。同心の鬼渋(原田泰造)から天外が事件について多くを語らないと聞いた市兵衛は、裏に何か事情があると睨(にら)む。[TAIG](C)NHK
天外(高橋克実)がお絹(小芝風花)の秩父行きを危ぶんだのは、大店(おおだな)・岸屋の新蔵(山中崇)が磐栄屋を追い出し内藤新宿に店を構えようとしていたからだった。召し上げ話も天外襲撃もそのためだと知った市兵衛(向井理)は、陰謀を信正(筒井道隆)に伝え調べを頼む。一方、業を煮やした新蔵は、磐栄屋に隣接する長屋を打ち壊すという強硬手段に出る。だがそこに立ちはだかったのは雷神の彫り物を背負った天外だった。[TAIG](C)NHK
天外(高橋克実)に町のため無法者を殺した過去があることを知ったお絹(小芝風花)は、許すことができないままに天外を逝かせてしまう。気持ちがくじけそうになったお絹に大黒屋重五(阪田マサノブ)は、岸屋新蔵(山中崇)からの提案を持ちかける。店を共同経営にさせてもらえれば御用達を務める鳴瀬家と掛け合い、召し上げ話を取り消してくれると言うのだ。だが市兵衛(向井理)は、それが新蔵と重五の策略であることに気づく。[TAIG](C)NHK