高校入学を機に一人暮らしを始めることにした主人公・夏目智春は、一見普通の高校生。人と違うところは、幼なじみの少女・水無神操緒が幽霊としてとり憑いていること。引っ越した初日に見知らぬ美女が訪れ、智春は彼の兄から託されたという銀色のトランクを渡される。その晩、謎の巫女装束の少女に襲撃を受け…。智春が手にしたこのトランクこそ、彼が世界の隠された真実と向かい合うきっかけとなるのだった。
エピソード1
機巧魔神
3年前から幼馴染の幽霊に取り憑かれている以外は、いたって普通の少年・智春。高校の入学式を明日に控え、智春は兄が以前住んでいた鳴桜邸での一人暮らしを始めるため、引越し荷物を解いていた。そんな彼の前に、見知らぬ女性が現れる。「絶対に手放してはダメよ」と銀色のトランクを強引に押し付けられたその夜、一つの怪しい人影が鳴桜邸に忍び込もうとしていた――。
エピソード2
未来に滅びるということ
トランクを巡る騒動はひとまず置いて、鳴桜邸の大家である潮泉老人の元へ引っ越しの挨拶に行くことにした智春。ところが、初めて会う潮泉老人から理解に苦しむ言葉をかけられ、智春の戸惑いは増すばかり。その帰り道、広大な敷地内で迷っていた智春がばったり出会ったのは、実家を飛び出して親戚の潮泉家に居候しているという奏だった――。
エピソード3
科学の光が落とす影
玲士郎の操る機巧魔神“翡翠”攻撃を受けて操緒が消えてしまった。悪魔の奏は第一生徒会の裁判に掛けられるため捕らえられている。怒りに震える智春は、もう一度トランクを使って“黒鐵”を召喚しようとするが、玲士郎に取り憑いている少女・哀音が行方を阻んだ。哀音とそのハンドラーの玲士郎、そして玲子には、智春と操緒のいづれかを滅ぼしてでも離そうとするだけの悲しい経緯があり…。
エピソード4
行き場を無くした想い
科學部への入部により第一生徒会の攻撃をしのいだ智春らは、土琵湖という湖を訪れていた。目的は、土琵湖周辺で目撃されている謎の生物の調査と捕獲。第一生徒会会長として科學部に正式に任務を依頼した玲士郎だったが、合宿中に進展するかもしれない智春と奏の仲が気がかりで仕方がない。お目付役として妹の玲子を残すのだが…。
エピソード5
交わり合う心と身体
小さな銀色のトランクを握りしめたまま、智春の住む鳴桜邸の前で倒れていた朱浬。ところが目覚めた彼女は「紫浬」と名乗り、性格まで別人のように変わっていた。いったい何が起こったのか? 手がかりを求め、朱浬の住む教会を訪れた智春と操緒だったが、そこには、彼ら自身が遭遇した3年前の飛行機事故のスクラップが貼られており…。
エピソード6
闇の向こうに浮かぶ贄
智春が風邪に倒れ、大幅に戦力ダウンした科學部一同。そこへ、朱浬の持つスタビライザを狙う瑤が襲いかかってくる。しかも瑤の機巧魔神は、「?鐵」の姉妹機である「白銀」、その力は空間を切断するというもの。智春を回復させる時間を稼ぐため、ボロボロになりながら強敵と戦う朱浬。どうやら朱浬と瑶瑤、そして紫浬の間には、浅からぬ因縁があるようで…。
豊崎愛生
日笠陽子