デイル・アーンハートはNASCARの大舞台で一躍スターダムへと駆け上がる。プロ2年目にして史上最速のチャンピオンとなった彼だが、やがてサーキット内外で数々の試練に直面する。レーシング文化が根づくノースカロライナ州で育った彼の生い立ちが、その原動力をひも解く鍵に。そして新興チームオーナーのリチャード・チルドレスとともに再び頂点を目指す闘いが始まる。

“インティミデーター”の異名を取り、恐れ知らずの存在へと変貌を遂げたデイルは、レース界の悪童として注目を集めながら、ウィンストンカップ7度制覇というリチャード・ペティの大記録に並ぶべく突き進む。名声の高まりとともに重圧も増し、その影響は家族関係にも及び始める。やがて、生と死が隣り合わせの世界が、家族にとっても人ごとではなくなっていく。

名声も収入も頂点を極める中、デイルは8度目のタイトルと、いまだ手の届かないデイトナ500の勝利を追い続ける。だが、新世代の若手ドライバーたちがその地位を脅かし始めていた。そして、子どもたちも父の背中を追ってレースの世界に足を踏み入れ、家族の関係はさらに複雑さを増していく。

2001年、運命のデイトナ500。父と息子が同じレースに出場し、先頭集団を牽引する。だが、その一戦は家族、そしてNASCAR全体の歴史を変える大きな転機となる。