島国ニル・カムイを大国<黄爛>が侵略したことで始まった〈七年戦争〉。これにより、島はもうひとつの大国ドナティアを含む三国の勢力圏に分断された。終戦後、王族〈煌統種〉としての立場を捨て孤児院で暮らしていた忌ブキだったが、買い出しに訪れた市場で黄爛軍とニル・カムイ独立を目指す〈革命軍〉との争いに巻き込まれてしまう。その身に危機が迫ったとき、先の戦争のさなかに狂ったとされる島の守護神〈赤の竜〉の声が忌ブキの心に響く……。
〈赤の竜〉と契約して〈契り子〉となった忌ブキは、授かった〈竜の力〉で黄爛軍を退けた。だが、その代償として幼馴染みの真シロの命を奪ってしまい、深い悲しみに暮れる。そんな中、〈ドナティア〉から訪れた〈黒竜騎士〉のスアローが忌ブキに接触し、ニル・カムイの次なる王を〈赤の竜〉の探索を目的とした〈混成調査隊〉に迎え入れようとする。一方、黄爛軍の紅鶴将軍も忌ブキの手に渡った〈竜の瞳〉を奪還するために動き出す……。
〈赤の竜〉に〈竜の力〉を返すため、忌ブキは〈混成調査隊〉への参加を決意した。そこにから派遣されてきた婁も姿を現し、隊に合流する。同行者としてスアローの従者であるメリルと忌ブキの護衛を任されたエィハらも加わり、ここに三国の代表で構成された調査隊の陣容が整った。一同は手がかりとなる情報を求め、まずは〈赤の竜〉の友人で〈不死商人〉の禍グラバがいるハイガの街を目指す。それぞれが異なる思惑を胸に秘めながら……。
街を包囲する黄爛軍をかいくぐり、禍グラバの元へたどり着いた忌ブキと婁。全身機械の異様な姿をした〈不死商人〉は、彼らを歓迎する態度を見せる。だが、〈赤の竜〉の情報を聞き出す間もなく、楽紹将軍率いる部隊が禍グラバを〈革命軍〉の黒幕と見なしてハイガに集結。仲間を説得して街を救おうとする忌ブキだが、そのためには黄爛軍を止めるしかない。楽紹との話し合いを求め、忌ブキは禍グラバの書状を手に敵陣へと向かうのだが……。
忌ブキが楽紹を説得したことで、黄爛軍のハイガ侵攻は回避された。その活躍を認めた禍グラバは、狂う前の〈赤の竜〉が残した伝言を〈混成調査隊〉の面々に伝える。もしものときはオガニ火山を訪ねてほしい−−そう語った〈赤の竜〉の真意は不明だが、今はただ進むしかない。忌ブキの強い決意に促され、一同はウルリーカ率いるドナティア軍や禍グラバとともにオガニ火山へと向かう。そんな中、一行のもとに〈還り人〉出現の情報がもたらされる……。
オガニ火山への道中、楽紹を含む〈還り人〉の群れと遭遇した〈混成調査隊〉。友好関係を築きつつあった人物を葬ることに抵抗を感じる忌ブキだが、彼女を殺した相手を討つために〈竜の力〉の行使を決断する。対価として捧げるのは、楽紹自身の命。しかし、そこに緋エン率いる〈百鬼隊〉が駆けつけ―。
井上麻里奈
Ibuki
沢城みゆき
Eiha
斉藤壮馬
Swallow Cratsvalley
内田真礼
Lou Zhenhua
石塚運昇
Kaguraba Raihou Gramstahl