操 (松坂慶子) の新盆。家族全員が顔をそろえる中に、航 (渡邉邦門) の姿だけがない。刺傷事件を起こした航は、刑期を終えたものの、その後、行方が分からなくなっていた。弟のことが気になり、東京での仕事に身が入らない夏海 (天海祐希)。洋道 (徳重聡) は腕を失って吹けなくなったトランペットが、今もきれいに磨かれて実家にあることを知り、父 (渡哲也) のそばで暮らすことを決める。そして、操亡き後も一人で食堂を営み始める真由 (内田有紀)。それぞれが父への、そして大間への思いを胸に、日々を送り始める。それは、航も同じだった。食うにも困る状態の航を発見した吾郎 (高橋克典) は、航を自分のアパートに連れ帰り、はじめてその胸の内を知る。それは夏海たち家族も知らない、あまりにも切ない思いだった。