横浜のネリス女学院に通う女子高生・森田ゆかりは、この夏休みに秘密の計画を立てていた。新婚旅行中に南の島で行方不明になった父・寛（ひろし）を捜しに、ひとりでソロモン諸島に行こうと言うのだ。一方、アクシオ島にあるソロモン宇宙協会（SSA）では、新型ロケットLS-7の打ち上げがまたもや失敗。本年度中に有人ロケットの打ち上げに成功しなければ、予算打ち切り…というピンチにおちいっていた。脱走宇宙飛行士・安川とSSAのヘリとのカーチェイスに巻き込まれたゆかりは、SSA所長の那須田勲（なすだいさお）と出会う。そのときゆかりを見つめる那須田の目にあやしい光が…!?

SSAに連れて来られたゆかりは、父の捜索を手伝ってもらう代わりに「サルでもできる簡単なバイトをしないか」と、那須田に持ちかけられる。なんとなく引き受けてしまったゆかりだが、実は「簡単なバイト」の正体は、宇宙飛行士だったのだ！ 謎の「女王様」医師・さつきによる様々な恥ずかしい医学検査と訓練の連続、実弾による射撃訓練、などの末、ゆかりは厚さ2ミリの宇宙服・スキンタイトスーツだけを着させられ、ジャングルでの単独踏破訓練に放り出される事に。そして、ぼやきながら進むゆかりの前に、突然タリホ族の少女があらわれた。「だ、誰!?」「ほい、マツリだよ！」「に…日本語!?」

意外な簡単さで、当初の目的であった父・寛（ひろし）との再会を果たしてしまったゆかり。だが勢いでオーケーした、「SSAが有人宇宙飛行に成功したらふたりで日本に帰る」という寛との約束のせいで、引き続きマツリとともに宇宙飛行士としての訓練を続けるはめに。初対面の妹、身長体重は自分とほぼ同じはずなのに、なぜかナイスバディの野生の少女（？）マツリのマイペースぶりにふりまわされ、イライラがつのるばかりのゆかり。カンシャクを起こしたゆかりは、ついに悪だくみを思いつくのだった。「そっか！ 何もあたしが行かなくても打ち上げさえ成功すりゃあいいんだ！」

奇人・変人ばかりと思っていたSSAメンバーたちの、意外な宇宙への熱意に触れるうち、しだいに宇宙飛行に本気になりはじめたゆかり。ある休日、ビーチに繰り出したゆかりとマツリだが、ゆかりはふと目に入ったVAB（ロケット組立工場）のクリーンルームに水着のまま押し入ろうとして、乱闘騒ぎに…。そんなある日、ゆかりは、化学主任の素子（もとこ）が開発している新型ハイブリッド燃料の大爆発を目にする。なんと、燃焼試験は失敗の連続らしいのだ。猛然と新型燃料開発に反対するゆかり。「何が会議の決定よ！ あたしはでっかい爆弾になんか乗りたくない！」

突然アクシオ島にあらわれた母・博子（ひろこ）にまるめ込まれ、渋々新型ハイブリッド燃料の使用をみとめたゆかり。ついにSSAは日本初の有人ロケット打ち上げを発表。つめかけた報道陣のカメラを通し、恥ずかしさをこらえるゆかりと、てんで気にとめないマツリのあられもない（？）スキンタイトスーツ姿が世界をかけめぐる。打ち上げに対しての緊張と、どこか打ちとけきれない異母妹マツリへのわだかまりに、イライラがつのるゆかり。しかも、打ち上げ当日になって、ロケットのシステムに異常が発見されてしまった…。

たびかさなる延期にがまんができず、打ち上げを強行させたゆかり。しかし、ゆかりの乗るオービター（宇宙船）タンポポは、予定の軌道からおおきくそれてしまっていた。管制室が帰還プランを検討する中、さらに予想外のトラブルが発生。ゆかりははじめての船外活動にまで挑戦するはめになってしまう。広がる銀河の美しさに感動するゆかり。だが状況は絶望的だった。生命維持装置が限界に近づくゆかり。「こんなバイト、やめときゃよかった…」果たしてマツリたちに、ゆかりを救出する手段はあるのだろうか…!?