刑事ファルコ 失われた22年

愛する妻と、生まれたばかりの娘と幸せに暮らす24歳の刑事アレックス・ファルコ。ある日、相棒のジャン・ポールと踏み込んだ現場で頭に銃弾を受け、昏睡状態に陥ってしまう。それから22年。奇跡的に目覚めたファルコは、妻と成長した娘が別の男と暮らしている事実を知り落胆を隠せないでいた。しかし、前向きに生きようと当時住んでいた家へ向かう途中、若い女性が男に暴行されている現場に遭遇。とっさに彼女を助けるものの、駆けつけた警察に犯人と間違われ留置場に送られてしまう。翌日、ファルコは身の潔白を証明するため、警視に出世したジャン・ポールに懇願し自ら捜査に乗り出すことになる。

職場復帰したファルコ。若いシュヴァリエ警部補とコンビを組み、巡査部長エヴァが二人の捜査の手伝いをすることに。早速ファルコは、タクシー運転手の死体が発見された墓地へと向かう。するとこの妻子持ちの運転手に、結婚を約束した女性が浮上。当初はシュヴァリエに警戒されていたファルコだったが、22年のブランクを感じさせない鋭い直観と嗅覚で、有能な刑事であることを証明させていく。一方、妻との関係を思うたび、つらく切ない思いに打ちひしがれるファルコ。妻の現在のパートナーが検視官フィリップだと知り、複雑な思いに駆られていく。

港で50代の女性の遺体が発見され、壁には血で書かれた“レア”というダイイングメッセージが残されていた。やがてその被害者は精神科医ダルマソで、レアは彼女の患者の一人だったことが判明。しかしそのレアは、2週間前に自殺していた。そんな中、インドから帰国する娘ポリーヌの迎えを楽しみに待つファルコ。しかし帰国が早まり、フィリップが迎えに行ったと知らされたファルコは激高し、彼に馬乗りで殴りかかってしまう。その瞬間をポリーヌに見られ、22年ぶりの対面は最悪なものになってしまうのだが…。

ある日の深夜、巡回中の刑事が意識不明の女性を発見し、蘇生させようと人工呼吸を施している最中に刑事も倒れてしまった。連絡を受けたファルコとシュヴァリエは検視官フィリップから、シアン化合物中毒の可能性があると聞かされる。その後、現場近くのバーで女性の遺体が発見され、同じ手口による毒殺だったことがわかる。ファルコらは連続して発生した毒殺事件の関連を調べる。一方、娘ポリーヌと無事に再会を果たすも、妻キャロルへの思いは日々募るばかりのファルコ。犯行現場で会うフィリップとの気まずいムードも収まらないままだった。

早朝、ある家で占い師の男性が射殺された。ファルコは男性の手帳から、殺された前日にある女性と会っていた事実を突き止め、事情聴取を始める。だがその場を弁護士ギルマンに阻止され、捜査は難しいものになっていく。時を同じく、ファルコからの留守電メッセージを勝手に削除されたとキャロルに激怒されたフィリップ。二人の仲は今までにないほどヒビが入り、フィリップが家を出てしまう。そんな中、22年前の自身の事件が気になり眠れないファルコは、ジャン・ポールに自分を襲った犯人捜しの協力を依頼するのだが…。