中国明（みん）代永楽（えいらく）20年、第3代皇帝の永楽帝・朱棣（しゅてい）が北征から帰還するという知らせを受け、皇太子・朱高熾（しゅこうし）は不安にさいなまれる。朱高熾が頼りにする息子で皇太孫の朱瞻基（しゅせんき）は南巡から戻る途中、悪路に阻まれ都にたどり着けない。その頃、宮中の尚食（しょうしょく）局では新しい掌膳（しょうぜん）の選抜が行われていた。尚食局で厨師（ちゅうし）として働きたいと願う姚子衿（ようしきん）、蘇月華（そげつか）、殷紫萍（いんしへい）は“飲食の道”を問われ、三人三様に答えるが…。

重陽の宴で食が進まない永楽帝。ところが、機転を利かせた姚子衿の献立を口にすると、みるみるうちに食欲が湧いてきた。才覚を発揮した姚子衿は再吟味の結果、尚食・孟紫澐によって首位に選出される。

減量のため肉や魚を禁じられ、食事を拒んでいた朱高熾だが、姚子衿、蘇月華、殷紫萍の趣向を凝らした「もどき料理」が功を奏した。姚子衿は孟紫澐らに賢さと器用さを認められ、尚食局で正式に料理の腕を磨く。

出自を偽って宮中に忍び込んだ者がいたため、尚食局で取り調べが行われる。錦衣衛指揮同知の游一帆は、厨師の家系出身でない姚子衿が蘇月華をしのぐ知識を持っていることを怪しみ、彼女のことを調べさせる。

姚子衿に詰め寄られ、自らの出自と壮絶な半生を白状した殷紫萍。姚子衿は彼女が自分の師匠に似ていると感じ、殺されかけたことも許してしまう。部屋の外で立ち聞きしていた蘇月華は、孟紫澐に殷紫萍の正体を伝えた。