文化文政の江戸時代。口入れ屋の音羽屋半右衛門(山村聡)は、殺しを請け負う仕掛人という裏稼業の元締めだった。「生かしておいては世のため、人のためにならない人でなくては殺さない」という信念のもと、半右衛門は店の手代・千蔵(津坂匡章/現・秋野太作)を手先として情報を集め、配下の仕掛人・鍼医者の藤枝梅安(緒形拳)、浪人の西村左内(林与一)に極悪人を暗殺させていく……。【TVシリーズ】(C)ABCテレビ/松竹
エピソード1
仕掛けて仕損じなし
新番組、池波正太郎の原作を素材として、テレビドラマ化したもの。仕掛人、即ち殺し屋を主人公とした異色の時代劇で、三人の仕掛人には、山村聰、林与一、緒形拳の三人が扮し、個性を生かしたユニークな殺し屋を演じる。この三人のタレントは、ブラウン管では理想的な父親といったイメージの山村聰、甘いマスクの二枚目スター、林与一、これまで一貫してマジメ人間、善意の人を演じてきた緒形拳といずれも「殺し屋」というタイプではない。その三人の変身ぶりと、これまでにない新しいイメージの殺し屋が見もの。また一話、二話を担当する深作欣二監督の趣好をこらした「殺しの演出」も話題の一つである。©松竹・ABC
エピソード2
暗闇仕掛人殺し
エピソード3
仕掛られた仕掛人
女好きの仕掛人、藤枝梅安(緒形拳)は、殺す相手が女だと聞いて油断したため大失敗。その女というのは盗賊の首領、御座松の孫八(小池朝雄)の情婦、お照(弓恵子)で、今はろうそく問屋、辻屋久兵衛(十朱久雄)の後妻におさまっている。一味の手引きをするため店の情報を得ようと、辻屋を色仕掛けで入りこんだのだ。梅安は女だと気を許したため、その手下のために捕えられた。その身を心配する音羽屋半右衛門(山村聡)と西村左内(林与一)。そんな半右衛門のところへもう一つの殺しの依頼があった。©松竹・ABC
エピソード4
殺しの掟
半右衛門(山村聡)のところへ商人、山形屋徳兵衛(金田竜之助)が、知り合いの町医者、木下玄竹(寺島雄作)と一緒にやってきて〝殺し〟を頼んだ。松永彦七郎(亀石征一郎)という浪人を殺して欲しいという。彦七郎は女ぐせの悪い乱暴者で、玄竹の妻に執ようにいい寄り、玄竹の身も危険なのでというのが徳兵衛と玄竹のいいぶんだ。相手が剣豪とあって、仕掛けには左内(林与一)が当たったが、思わぬ邪魔がはいって失敗した。邪魔をしたのは左内の剣の師、中根元十郎(大友柳太朗)だった。不審に思った左内の報告を受けて半右衛門(山村聡)は岬の千蔵(津坂匡章)に事件を洗いなおさせた。すると意外な事実が明るみに出てくる。©松竹・ABC
エピソード5
女の恨みはらします
殺しの依頼は、油屋相生屋の下請、亀屋利助(宮本曠二朗)、相生屋の息子、仙太郎(笠原明)ほか五人の若者たちに一人娘おいち(丘夏子)を乱暴され、おいちは気がふれてしまったのだ。利助は若者たちを訴えたが、相生屋の主人仙右衛門(郡司良)は吟味与力大井与太夫(草薙幸二郎)を金の力で抱き込んだ。その結果、仙太郎たちは無罪放免となったのだ。彼等が群をなして婦女暴行を常習にしていると知り、半右衛門(山村聡)は引きうけた。だがこの大井という男は、昔、水茶屋で働らいていた半右衛門の女房おくら(中村玉緒)と関係があった。道端でおくらと顔を合わせた大井は、おくらを脅すのだった。©松竹・ABC
エピソード6
消す顔消される顔
深川の木場の材木問屋、文珠屋多左衛門(三国連太郎)は、火事のたびに、自から避難民に救いの手をさしのべ「人助けの多左衛門」と呼ばれていた。藤枝梅安(緒形拳)は、音羽屋半右衛門(山村聡)からその多左衛門の殺しを頼まれて驚いた。そんな頃、梅安は、何か事情のありそうな盲目の夫、直吉(石山律)をかかえた美しい妻、お妙(田代千鶴子)の夫婦を知った。女仕掛人として、混血の関西出身の異色の司会者キャッシーがゲスト出演。ドラマ初出演である。©松竹・ABC
緒形拳
林与一
山村聰
中村玉緒
秋野太作
太田博之
松本留美
山内久司
櫻井洋三