女子高の教師・赤井涼介(渡部篤郎)は結婚直前、婚約者に突然蒸発され途方に暮れていた。ある日、涼介が牛丼屋で食事をしていると、突然客の男女がけんかをし始める。恋人同士らしい2人が別れ話でもめている様子で、男はすがる女性を殴ってしまう。そのけんかを止めるに止められずにいる客たち。仕方なく間に入ったのは、牛丼屋の店長・緑川文平(所ジョージ)と涼介だった。しかし、けんかをしていた男は、「芝居です!」と一言。こうして急にけんかを始めると店の客はどういう反応をするかの実験をしていたというのだ。そう話すのは人気恋愛小説家でテレビでも良く顔を出している紫村一郎(及川光博)と、その恋人・羽田藍(水野美紀)だった。2人が仲睦まじい様子で去った後、店を出ようとした涼介の席に、忘れ物を見つけた永島蜜柑(菅野美穂)。忘れ物があることを伝えると、涼介は「俺が持っていてもしょうがないみたいだから」と婚約者へのプレゼントだった赤い靴を蜜柑に渡す。その靴は、蜜柑が誕生日の今日、自分へのご褒美として買おうと店に行ったが、今売れたばかりといわれてがっかりしていたものだった。運命を感じた蜜柑は、飲食代を払うのも忘れ店を飛び出したが、涼介の姿はすでにない。相手のこともよくわからないまま一目惚れしてしまった蜜柑。牛丼屋の店長・文平は、そんな蜜柑に心を寄せ始めていた。そして数日後、婚約者の行方がいまだにわからない涼介のマンションの前に、先日牛丼屋で恋人とけんかの芝居をしていた藍が倒れていた。行き場がないという彼女を涼介は仕方なく家に上げてしまい…。