法医学者マダム･エール

ボルドー法医学研究所に勤める法医学者アレクサンドラのもとに、新たな助手テオがやって来る。着任早々、切断された手首が見つかったとの一報が入り、2人は現場へ向かうが、警察のアントワーヌ･ドアノー警視とアレクサンドラは何やら険悪な様子。さらに同じ被害者の足首も見つかり、アレクサンドラは被害者の生前のライフスタイルや性格までも推察すると、アントワーヌや同僚の警告を聞かずに犯人捜しを始める。

白人女性の上半身と黒人男性の下半身をつなぎ合わせた奇妙な遺体が見つかる。2人の死因は異なるうえ、生前の関係を示す手がかりはなく、唯一の共通点は肥厚した皮膚と臓器に見られる異常。下半身のみの男性は身元も特定できないまま捜査は難航する。そんななか、女性の被害者の声門から、腐敗した白人男性の指が見つかる。一方、国家警察監察総監のパンセは、不正を暴こうとアレクサンドラとアントワーヌの行動を監視する。

森で女性の絞殺遺体が見つかる。その鍛え抜かれた肉体と無数の古傷に違和感を覚えたアレクサンドラは、独自に調査を開始。一方、アントワーヌは国家警察監察総監 (IGPN) を追い出されたパンセと正式にコンビを組むが、彼の暴走に頭を抱える。やがて、兄妹の連係プレーで、事件の解明につながる被害者の壮絶な過去が浮かび上がる。そんななか、恋人との交際が順調なアレクサンドラの前に、消息不明だった元夫が現れる。

サミュエルの幼なじみであるジェレミーの遺体が船で発見される。驚くべきことに、死因はペストだった。感染したアレクサンドラとテオ、サミュエルは、同様に感染したジェレミーの家族と共に一家の邸宅で隔離されることに。アントワーヌらと連携を取りながら調査を進めていくうちに、複雑な家族関係が明らかになっていく。アレクサンドラが生化学に興味を持つジェレミーの娘を疑うなか、ジェレミーからの感染ではない発症者が出る。