作家・向田邦子が、自分の少女時代の思い出をつづった随筆集を、ジェームス三木の脚本、深町幸男の演出でドラマ化。戦前の風俗とともに、庶民の家族のきずなや哀感をしみじみと描いています。(C)NHK
エピソード1
父の詫び状
父は、父親の顔さえ知らずに育ち、高等小学校を卒業後保険会社に就職。支店長まで出世した人でした。しかし、家の中では、怒りっぽく、いばってばかりいます。そんな父のことを、“芯(しん)はやさしいのよ”と言って笑う母。娘は、独善的で、乱暴な父に反発を感じていますが、外での父の卑屈なおじぎや祖母の死を通して、父の意外な素顔を知ります。娘の視点から、戦前の庶民の家族のきずなや哀感をしみじみと描いています。[FICT](C)NHK