間違えられたフランス男たち

自動車事故にただ１人の目撃者として遭遇したヴァンサン。その直後、道端に落ちていた携帯電話に出る。聞こえてきたのは「17時に来なければ女房を殺す」という身に覚えのない脅迫だった。臆病なヴァンサンは一刻も早くこの出来事をなかったことにしようとする。ヴァンサンは別れた彼女と復縁するというもっと切実な問題があった。しかしヴァンサンの同僚、郵便係のアルバンは運命を変えるサインだから一緒に解決しようと提案する。アクション映画が好きで自分をヒーローだと思い込んでいるアルバンはヴァンサンを連れて病院へ行き、自動車事故に遭った男に携帯電話を返そうとする。

ヴァンサンはアルバニア人ギャングのリーダーと取引し、人質を交換しようとする。ところが取引を知らなかったアルバンは人質であるエルマン夫人の救出に向かい、解放に成功。ムルト・エ・モゼル県の建物でギャングとの追跡劇が繰り広げられる。ヴァンサンとアルバン、エルマン夫人は何とか逃げ延び、エルマンの家に向かう。しかし再会した夫婦はすぐさま取っ組み合いのケンカを始め、エルマンが死んでしまう。アルバンは凶器に指紋をつけてしまい…。

ルイーズが中心となって進める県のエコ地区計画。その出資者であるクロード・ベッカーとエルマン夫人が父娘の関係だとヴァンサンとアルバンは知り、思っているよりはるかに深刻な事態に陥ったと気づく。エルマン夫人は２人を脅し、彼女が大切にしているというオルゴールを取り戻せと命じる。オルゴールを持っているのは、ロシアから亡命した富豪マラット・ミランコヴィッチ。２人はアルバニア人ギャングと遭遇した後、ミランコヴィッチの自宅パーティーに潜入する。ヴァンサンがミランコヴィッチの相手をする間にアルバンがオルゴールを捜索し…。

フランスの情報機関ＤＧＳＥ（対外治安総局）はヴァンサンとアルバンを標的に定め、これまでに関与した事件を確認する。同僚を抹殺した二重スパイはこの２人に自らの罪を着せようとする。一方、ヴァンサンとアルバンはオルゴールをエルマン夫人に返そうとするが、アルバンがオルゴールを分解したところエコ地区計画に関する陰謀を見つける。ヴァンサンは今も恋心を抱く元カノ、ルイーズの身を案じる。ルイーズがこの計画に従事しているからだ。だがルイーズに警告する暇はない。敵はヴァンサンとアルバンに迫っていた。

何とか捕まらずに済んだヴァンサンとアルバン。だがエコ地区計画のパーティーでルイーズが襲われ誘拐されてしまう。ヴァンサンとアルバンは陰謀の黒幕クロード･ベッカーと会うが、ベッカーはエルマン殺しに使われたサラダボウルの指紋についてほのめかす。さらに悪いことに、ヴァンサンは電話の相手からリストを渡さなければルイーズを殺すと脅迫される。アルバンとケンカした後、ヴァンサンは１人でルイーズの救出に向かう。