山田太一原作・脚本。荒廃したホテルを一流にするべく立ち上がった男性と、彼を取り巻くスタッフたちの奮闘を、数々のエピソードを挿入しながら爽やかに描いた物語。宿泊客に多彩なゲストを迎え、おかしく楽しく、時にはスリルとサスペンスを交えていく。出演は田宮二郎、由美かおる、潮哲也、池波志乃、古今亭八朝、徳川龍峰、尾藤イサオ、前田吟ほか。
エピソード1
#1
八ヶ岳で廃墟となっている"ハイランドホテル"を再建させるため立ち上がった面川清次(田宮二郎)は、従業員として、北上冬子(由美かおる)、高間麟二郎(益田喜頓)、鳥居ミツ(池波志乃)ら6人をスカウトする。面川から素晴らしいホテルだと聞かされてやって来た6人は、ハイランドホテルの荒廃ぶりに唖然。その後、ホテルの運用資金を持った大貫徹夫(前田吟)が現れ、「ホテルのフロント係を務める」と言い出し・・・。
エピソード2
#2
面川(田宮二郎)たちは、ホテルのオープンに向けて早速準備に取り掛かる。しかし、大貫(前田吟)は自分の意見を聞こうとしない面川に腹を立て、ついに別居中である面川の妻・祐子(三田佳子)の話をしてしまう。面川は酒に溺れ、祐子に愛想を尽かされてしまったのだ。祐子が面川に未練があることを知った彼女の父・大場専造(岡田英次)が、面川にホテルの再建を任せたらしいのだが・・・。
エピソード3
#3
コック長・高間(益田喜頓)が高額な食器を購入し、身元のわからない男・村田日出男(常田富士男)に仕入れを任せ、泥酔状態で帰宅した。さすがの面川(田宮二郎)も、ホテルの先行きに不安を感じ始める。高間はそんな面川に対し、食器は最低限度必要な物だったと告げ、料理に対するこだわりを語る。高間は大貫(前田吟)たちの疑いを晴らすため、全員の前でオムレツを作ることに。しかし、味見をした有馬フク江(北林谷栄)は高間に酷評を下す。
エピソード4
#4
ホテル開業当日、面川(田宮二郎)をはじめ一同が待つ中、ついに最初の団体客が訪れた。が、彼らはホテルに着くなり食堂で麻雀をはじめてしまった。その上、このホテルには麻雀をしに来ただけだと言い放ち、面川たちの言葉に全く耳を貸そうとしない。それでも最高のサービスを提供しようと考える面川に対し、団体客は怒り出してしまった。面川や高間(益田喜頓)は、激怒する客を落ち着かせようと試みるが・・・。
エピソード5
#5
雑用係の杉山七郎(尾藤イサオ)が、客に食ってかかった責任を取り、ホテルを辞めると言い出した。そんな中、面川(田宮二郎)は自らの過去を語り始める。面川は以前勤めていたホテルで横柄な客を殴り倒し、解雇になったと言う。一方、全く予約が入らないことを心配した大貫(前田吟)は、面川に東京での営業を強く勧める。翌日、面川は東京でホテルの売込みを開始するが・・・。
エピソード6
#6
八ヶ岳高原ホテルを取材したいと申し出た週刊誌記者・柳田(杉浦直樹)を迎えるにあたり、面川(田宮二郎)はある提案をする。柳田にいい印象を与えるため、偽の客を作り出そうと言うのだ。一同は面川の意見に賛成し、フク江(北林谷栄)を大富豪の宿泊客に見たてることとなる。当日、柳田から他の宿泊客について尋ねられた面川は、思わず「流行作家も泊まりに来ている」と嘘をついてしまい・・・。