アフリカの広大なサバンナには地球を代表する動物が集まっている。極端に変化する気候の下で、エサが豊富に得られることも飢えに苦しむこともある。とにかくサバンナには物理的に動物の数が多い。そしてそれを狙う捕食者たちも集まってくる。だからサバンナで育つ赤ちゃんの最初の課題は単純に「生き残ること」。 様々な動物の赤ちゃんが厳しい環境の中で少しずつ経験を重ねながら、大人へと成長していく。

南大西洋に浮かぶサウスジョージア島の海岸にはナンキョクオットセイが繁殖のために集まってくる。生まれたばかりの赤ちゃんは60センチ。ここで4か月ほど準備してから海へと出て行く。 グレート・バリア・リーフの外縁にあるレイン島では卵からかえったばかりのアオウミガメの赤ちゃんが大仕事を果たそうとしている。砂浜から海までの50メートルを命懸けでダッシュするのだ。お腹をすかせたハシブトゴイに狙われながらも何とか海にたどり着くが、そこでもまた次の危険が待ち構えている。 赤ちゃんたちは厳しい環境の中で試行錯誤を繰り返しながらも、確実に大人へと成長していく

パタゴニアで生まれたばかりのグアナコが危なっかしく立ち上がり、歩き出そうとしている。その数日後、グアナコの赤ちゃんたちは元気に走り回っている。この山岳地で生き抜くためには群れと共に逃げる力が必要なのだ。ブラジルにはフサオマキザルの赤ちゃんの姿が。何から何まで母親に面倒を見てもらっている甘えん坊だ。北アメリカのイエローストーン国立公園では、ハイイログマの子供はが視界ゼロの吹雪の中、母親から離れないよう必死だ。 山で生きる赤ちゃんたちは高所での生活に降りかかる様々な障害を克服し、大人へと成長していく。