大秦帝国　縦横　＝強国への道＝

エイシは魏の宰相、恵施（けいし）からの縁談の申し出を承諾する。しかし、その裏で魏王はギジョに匕首の剣を渡し、婚礼のさなか、エイシを暗殺するよう命じるのだった。同じ頃、甘龍（かんりゅう）と杜摯（とし）は義渠（ぎぎょ）や魏と組み、蜂起の準備を着々と進めていく。魏王の命令どおり、婚礼でギジョがエイシを刺すと、甘龍と杜摯はエイシの伯父、エイケンに即位を迫る。エイケンは宮中へ向かい、エイシの安否を確かめようとするが、エイシツに制止されてしまう。

エイシは、エイケンの協力を得て、甘龍（かんりゅう）と杜摯（とし）の謀反を阻止し、秦に攻め入った義渠（ぎぎょ）も壊滅状態に追い込む。エイケンは、杜摯勢との戦いで負傷し死ぬが、その死の直前に、秦公剣をエイシツに託す。秦に惨敗した義渠は鳴りを潜めていたが、王子は生き延びていた。その叔父は秦への復讐を果たすべく、楚との関係を着々と築く。一方、王子は逃亡先の楚でビ八子（びはつし）という女性と知り合い、恋に落ちるが、叔父に引き裂かれ、草原へと帰ることになる。

河西を占領した魏軍との戦を前に、エイシは総大将の人選に頭を痛めていた。エイシツの推薦により、秦軍は公孫衍（こうそんえん）を総大将とし、魏の老将・龍賈に勝利する。同じ頃、魏出身の論客・張儀は周の公子、昭文君と出会う。張儀の才覚を高く評価した昭文君は、路銀と湛盧の剣を与えたのだった。秦へ向かった張儀は、大商人・猗蔚（いい）と共に賭場で戦の賭けに参加する。大方の予想とは反対に、秦軍の勝利へ張った二人は大勝するが、秦軍に捕まり連行されてしまう。

大商人・猗蔚（いい）の話に興味を持ったエイシは、張儀と再び面会し、客卿として秦に招く。張儀はエイシに連衡策を説き、魏から河西を奪回する方法として魏と盟約を結んだ上、秦が魏から奪った3城（蒲陽、曲沃、焦城）を返還するよう提案する。張儀は自ら使者として魏へ向かい、魏王に盟約を受け入れるよう提言する。一方、エイシが張儀の策を採用したことで、反対の立場を取った公孫衍は秦を去るのだった。

河西返還の正式な調印を無事に果たし、帰国した張儀と入れ替わりに、公孫衍は秦を去った。河西の問題が落ち着いたところで、エイシは南方を押さえるため、まずは楚と修好を結ぶことを考える。そこで張儀は楚と姻戚関係を結ぶことを提案し、さっそく楚王のもとへ交渉に行く。ちょうどその頃、ビア頭（びあとう）は義渠駭（ぎぎょがい）との間にできた子供を産んでいた。 一方、ビア頭に会いに行こうとしたのを叔父にたしなめられた駭（がい）は、言い争いになり、叔父を斬ってしまう。