恋愛結婚の法則

ヒカリビールの消費者苦情センターに勤務して10年の中嶋朝子（小泉今日子）に、ある日突然営業部への人事異動の辞令が出た。事実上の肩叩きだった。 戸惑いながらも営業部の扉を叩いた朝子は、いきなり電話をとらされ、受話器越しに怒る取引先の店主から、今すぐ来いと言われる。激しいクレームをつける店主を前にロクな対応も出来ない朝子。 会社に戻った朝子は、朝子の指導係として宇都宮（柏原崇）を紹介される。宇都宮は小声で「おばさんじゃないの」と一言。ショックを受ける朝子。 疲れてマンションに戻った朝子。そこに兄の妻であり、古くからの親友でもある千明（小林聡美）が娘の美季（大平奈津美）を連れてやってきた。夫婦喧嘩をしてやってきた千明は、娘と共に朝子の部屋に居つくらしい。 部屋に入るや、人生の先輩風を吹かす千明と朝子は口論。その時、千明は一通の封筒を発見。結婚情報サービスQネットからだった。中には浜崎耕三（柳葉敏郎）の写真。耕三の理想の結婚像は朝子とピッタリ。思わず色めきたつ千明。入会は母の仕業だとすぐにピンと来た朝子は、翌日すぐにQネットに解約に行く。だがとりあえってもらえず・・・。 その後、会社での居場所もないまま帰社しようとした時、一本の電話が鳴った。取引先の大友課長（大高洋夫）との会食セッティングが出来たので、宇都宮に伝えて欲しいとの連絡だった。だが宇都宮と連絡がとれなかった朝子は、大友課長の顔も知らずに自ら会場のレストランに出向くことに。 しかし、そこで朝子を待ち受けていたのは、朝子とお見合いする気満々の耕三だった。千明の策略だったのだ！ そうとも知らず、耕三と大友課長の区別がつかず大失敗をしでかした朝子は・・・。

朝子は「宴」の件でミスをして以来、会社に居場所がなく、なんとか「宴」に謝りに行こうとする。すると、会社の受け付けに押し掛けてきた耕三の姿が。正式に付き合いたいと言い出す耕三に、唖然とする朝子。 朝子のことを結婚情報サービスに報告する耕三。そんな耕三の姿を、偶然居合わせた千明（小林聡美）は目撃してニンマリする。 そうして朝子は「宴」に赴くも大友課長（大高洋夫）には相手にされず、翌日は得意先の三河屋から、消費者用ノベルティをくれないなら取り引きを中止すると言われる。すぐにノベルティを用意すると言う朝子に怒った店主は、朝子に犬小屋の掃除を命じる。宇都宮（柏原崇）は、必死にそれをやったと言うのだ。 途方に暮れる朝子。そこに偶然、耕三の姿が。喜ぶ耕三だったが、朝子はあなたに会ってからすべてがおかしくなったと怒ってしまう。 再び「宴」を訪れた朝子は、またも大友に追い返されてしまう。が、大友が店長室を出たところに宇都宮の姿が。宇都宮はライバル会社のビールの運搬を汗水たらしてやっていた。お世話になった店長だから、たとえ取り引きをキャンセルをされても恩返ししたいのだと。 そんな宇都宮を見て触発された朝子は、三河屋の犬小屋を掃除しに行った。 達成感いっぱいで帰る道すがら、朝子はまたもや偶然、耕三と再会する・・・。

朝子（小泉今日子）のマンションで食事をする耕三（柳葉敏郎）を見つけた朝子はビックリ。耕三も驚きすぐに退散してしまう。 翌日、宇都宮（柏原崇）の指導の元、夏期限定ビールの商戦に乗り出すよう命じられた朝子だが、宇都宮は外回りは一人ですると言う。憮然としながらも一人で外回りをする朝子は、ライバル会社のファインビールしか置いていないスーパーやビアレストランで宇都宮と遭遇。宇都宮の意外な仕事ぶりを発見する。 そして翌日。朝子は、スーパーで耕三とバッタリ。赤い糸だと呟く耕三に、朝子は店長はどこにいるかと尋ね、ファインビールしか置いていない状況をひっくり返したいのだと語る。そんな朝子のキャリアウーマンぶりに耕三は感心。朝子の制止の声も聞かず、自分が店長に頼んでみると張り切って応接室に行ってしまう。だが、店長はファインビールの営業の人間と接客中。そこに耕三、続いて朝子が入ってきたため、現場は大揉め。そこに偶然現れた宇都宮が必死に謝罪してなんとか事を収めた。 スーパーの表に立ち、朝子に呆れる宇都宮。そんな二人の間に耕三は割って入り、さっきのことは自分のせいだと言った。が、ついでに耕三は朝子と真剣に結婚を考えているなどと言い出したため、宇都宮が去った後、朝子は今度こそきっぱりと言った。「あなたは赤い糸とか言ってましたけど、今後は糸が切れることを祈ります！」

母危篤の連絡を受け、婚約者のフリをして耕三（柳葉敏郎）の実家を訪れた朝子だったが、その母はぴんぴんしており、朝子は騙されたと思う。そんな朝子に耕三は、後で本当のことを話すつもりだと告白する。 月曜日、ハードな営業の仕事の合間を縫って謝罪に出向いた朝子は、耕三のスーパーで思いもよらないことを耳にする。耕三の母が亡くなったというのだ。 家に帰り、その話を千明（小林聡美）にする朝子。そこへ実（北村総一朗）が尋ねてきた。耕三のウソに付き合ってくれた礼を言いに来たというのだ。そこに耕三から朝子に電話が入った。電話を替わった実は、耕三に朝子のことを「確かに耕三の好みだね」と楽しげに語り、帰って行く。 ある日、ハードな仕事を重ねた朝子が部屋に帰ると、耕三が大量の土産を持って来ていた。耕三の帰り際、元気を出してと励ます朝子。 土曜日、朝子は千明に誘われ、耕三が住む実の部屋を訪れて、元気のない耕三を励まそうとするが、部屋のドアを開けるとそこには取り乱した理子（西田ひかる）と実の姿が。話を聞けば、今日、実のところへ実の昔の女が尋ねてくることになっているのだという。そこから5人は、昔の女に会うこと、さらには互いの恋愛観へと話を発展させていき・・・。

宇都宮（柏原崇）を意識してしまう朝子（小泉今日子）。だが二人で営業先に行った朝子は、昨日のことはなだめただけだと宇都宮に言われてしまう。 そんな折り、実（北村総一朗）に結婚を迫った理子が、気持ちをおもんばかってくれない実にしびれを切らし、家を飛び出し、千明（小林聡美）に電話をかけてきた。それを受け、すぐに朝子の会社を訪問し、3人は相談の飲み会を催すことに。 その時、千明は宇都宮を発見。そのルックスにあてられ、すぐに宇都宮を誘う千明。だが宇都宮には素っ気なく断られ、千明は憤慨。そんな様子を呆然とした表情で見ている朝子。そしてその朝子を不審そうに見る千明。ところかわり、店で理子を待つ朝子と千明。すると、現れた理子は、しばらく泊めて欲しいと言い出した。驚く朝子達。 家に帰ると朝子は実の部屋に電話。早速実と耕三（柳葉敏郎）が理子を迎えに来た。滅茶苦茶なやりとりが繰り広げられたが、無事実が理子にプロポーズをすると、二人は帰って行った。そんな様子を羨ましげに見守る朝子。 数日後、理子と実のための食事会に出掛けた朝子と千明。理子は式場見学もしてみると言う。実と耕三の到着を待ちながら、チャペルを見学し、衣装ルームに移ると、そこにはスタイル抜群の遥（小雪）の姿が。ため息をつく3人。が、遥の隣にいたのは宇都宮だった！ 少なからずショックを受ける朝子・・・。

ある朝、東（小野武彦）に、背広のポケットに入っていて妻に見つかったピアスを自分のものだと証言してくれ、と頼まれた朝子（小泉今日子）。すぐにやってきた東の義理の父である専務の手前、嘘をつき切り抜ける朝子と東。 だが、営業部では東と朝子が本当に不倫をしているのではと噂になる。宇都宮（柏原崇）に対し、必死に噂を否定する朝子。 その後、外回りに出掛けた朝子は会社に戻ってくると、再び専務とのトラブルに巻き込まれる。するとそこに現れた宇都宮は咄嗟の機転を利かせ、東に自分と朝子との恋愛相談に乗ってもらっていた時にピアスが入ったのではと言い出した。「姉さん女房ってわけだ」と満足する専務。そのうえ自分からつきあってくれと切り出したとまで宇都宮は言い、朝子はそのリアクションに戸惑う。 その晩、千明（小林聡美）が耕三（柳葉敏郎）を部屋に呼び料理させていたところに朝子は帰宅。女房発言の熱も冷めやらぬ様子でその時のことを語る。 そこに、朝子の新婚の友達・サヤカ（西田薫）達が突然やって来た。離婚すると言い出すサヤカ。訳を聞くと、夫がホステスの名刺を持っていたのだと言う。すると千明が、そのホステス・ジュリのいる店に確認に行こうと言い出した。 が、店に行くと、そこには宇都宮の姿が。そして店からは遥（小雪）が出てきた。ジュリは遥だったのだ・・・。