朝5時35分。ホームに到着した始発電車に乗り込む高校生の加藤木 (奥平大兼)。高校のある終点まで向かう電車はもちろんガラガラだが、なぜかそこに殺風景 (山田杏奈) がいた。お互いに話したこともないクラスメイト。早朝始発にわざわざ乗る理由は何か? それぞれの思惑はどこにあるのか?「加藤木君、アリバイづくりはうまくいきそう?」。ガラガラの車内で交わす会話で、2人の高校生は小さな謎を探り合う。(第1話)
エピソード1
早朝始発の殺風景
とある高校の休み時間に緊急の校内放送が流れた。在学中の女子生徒が通り魔に襲われたという。生徒たちが動揺する中、映画研究部の加藤木 (奥平大兼) は、クラスメイトの殺風景 (山田杏奈) の怒りに満ちた表情を目撃する。後日、ある理由から始発電車に乗り込んだ加藤木は、同じ車両にいた殺風景と遭遇。二人きりの車内に気まずい空気が流れる中、加藤木と殺風景は、お互いに始発電車に乗った理由を探り合うことに……。
エピソード2
メロンソーダ・ファクトリー
協力して通り魔事件の犯人を追うことにした加藤木と殺風景。そんな二人をよそに、啄木高校の生徒たちは文化祭の準備に忙しい。クラスTシャツの制作を担当する、真田 (吉川愛)、詩子 (中田青渚)、ノギ (尾碕真花) の三人は、行きつけのファミレスで話し合いを行う。いつものメンバーで過ごす、放課後の和やかな時間。しかし、マイペースな詩子が真田のアイデアに異を唱えたことで、三人の間に小さな波紋が生じて……。
エピソード3
夢の国には観覧車がない
フォークソング部の寺脇 (伊藤あさひ) は、後輩の葛城に密かに恋心を抱いていた。部活の引退記念にやってきた遊園地、ソレイユランドで彼女に想いを告げようと考えるが、寺脇はその場の成り行きで後輩の伊鳥 (望月歩) と二人で観覧車に乗る羽目に。本当は葛城と一緒に乗りたかった寺脇は、伊鳥に対して不満げな態度を取るが、伊鳥の衝撃的な一言で、事態は思わぬ展開に……。22分間のスリリングな空中散歩が幕開ける。
エピソード4
捨て猫と兄妹喧嘩
高校からの帰り道、麻 (髙橋ひかる) は公園で一匹の捨て猫を見つける。マンション暮らしで猫を飼うことができない麻は、代わりに引き取ってもらおうと兄の直文 (萩原利久) を呼び出す。両親の離婚により麻と直文は別々に暮らしていたが、父親と一軒家に住む直文なら猫を飼うことができるのでは、と麻は考えたのだ。しかし、頑なに無理だと言う直文。その言動から、麻は直文が何かを隠していると気付くのだが……。
エピソード5
三月四日、午後二時半の密室
卒業式を風邪で欠席した煤木戸 (茅島みずき) の為に、卒業証書とアルバムを届けに行くことになったクラス委員の草間 (藤野涼子)。煤木戸の部屋に案内された草間は、馴れ合いを好まず、クラスでも浮いていた煤木戸との会話に窮してしまう。証書とアルバムを手渡し、部屋を後にしようとする草間だったが、その時、彼女はある違和感に気付く。一方、叶井を襲った犯人を追う加藤木と殺風景は、危険な囮捜査に乗り出す。
エピソード6
啄木町の七不思議
地道な捜査の結果、遂に犯人を追いつめる殺風景と加藤木。そして、その数か月後――啄木高校には以前のように平穏な日々が戻った。だが、その一方で、秘密を共有したはずの二人の間には微妙な距離感が生じていた。校内で殺風景とすれ違っても、他人顔でよそよそしい態度を取る加藤木。彼が何かを隠していると考えた殺風景は、正面から加藤木を問い詰めるが、対する加藤木の胸の内には、殺風景への複雑な想いが渦巻いていた。
山田杏奈
奥平大兼
吉川愛
中田青渚
尾碕真花
伊藤あさひ
植田春菜
松本桂子
塩村香里