雲間の月は輝きて ～運命の恋人～

ネット小説家の李蕓は、大企業の御曹司である穆小七に執筆途中の新作を削除するよう求められた。李蕓の連載小説の主人公が見舞われるトラブルと同じことが、なぜか彼にも起きるという。後日、穆小七は失踪。彼の部下に追いかけられた李蕓は頭痛に襲われ失神し、目覚めると天聖という場所で雲浅月と呼ばれる郡主の部屋にいた。しかも妓楼に放火した容疑者だという。訳も分からず逃げ出した李蕓の前に、穆小七そっくりの容景が現れる。

雲浅月 (李蕓) は雷に打たれたショックで現実世界に戻ろうと山に入るが、崖から水に落ちたあげく容景に救われて、しばしの天聖生活を覚悟する。数日後、皇帝による狩りが開催された。それぞれが獲物の数を競う中、外出を禁止されていたはずの浅月が現れ、しかも何者かに矢を射られて重傷を負ったという報告がなされた。皇帝の命に逆らったと浅月を非難する太子を制したのは容景だった。容景は望春楼放火の真相を語り出し…。

雲浅月は香泉山にある女媧廟への参拝のため容景に連れ出される。容景と一緒にやってきた浅月の姿に、四皇子の夜軽染は不満顔だ。容景を慕う清婉公主が持参した菓子を食べた浅月はやがて気分が悪くなり、容景とともに崖下に落ちてしまった。不快感の原因は催情引という毒で、菓子に塗られていたらしい。軽染に問いただされた清婉公主は、毒を盛ったことを強く否定し自殺してしまう。公主を利用した者がいると考えた容景は…。

容景の傷の手当をした際、寝台についた血染みを男女の関係によるものと誤解した従者の弦歌。なのに、弁明もしてくれない容景に腹を立てて、雲浅月は屋敷を出て行く。雲王府に戻るとそこに、隣国で警備にあたる夜天逸からの手紙をつけた伝書鳩が。じきに帰還すると書かれていたが、その月岐で動乱が起きた。事態打開のため容景は自ら赴任を願い出るが、容景に行かれては都合が悪い冷家は浅月を利用しようと企み、ある噂を…。