ライト&マジック ライト&マジック

ドキュメンタリー · 2022年 · 59分 Disney+
視聴可能: Disney+

ジョージ・ルーカスが“スター・ウォーズ”の製作のために設立した特殊効果&VFX制作会社「インダストリアル・ライト&マジック社」の歴史を紐解く、6話完結のドキュメンタリーシリーズ。ローレンス・カスダン監督が個人的なインタビューや未公開映像を通して、ILMの最もアイコニックなエフェクトを、それらを生み出したアーティストやイノベーターたちの驚くべき裏話とともに掘り下げる。 “スター・ウォーズ”の制作に着手したジョージ・ルーカスは、“宇宙でドッグファイト”という自身の野心的なビジョンを実現できる特殊効果制作会社がハリウッドに存在しないことに気づく。ジョージに雇われたカメラ機材の専門家ジョン・ダイクストラは、ヴァン・ナイズにある埃っぽい倉庫を拠点にして、アーティスト、建築家、夢想家たちから成る斬新なチームを結成していく。気温40度の暑さの中、彼らは船を設計し、模型を作り、画期的なカメラシステムをゼロから作り上げる。しかし、イギリスでの主要撮影を終えたジョージが帰国すると、ILMの作業は予定より大幅に遅れていた。何とか期限までに完成した“スター・ウォーズ”は世界中で公開され大成功を収めるが、ジョージは不思議とその結果に満足できないでいた。 続編「帝国の逆襲」を制作するにあたり、ジョージはILMを北部の新しい施設へと移動させる。続編に対する世間からの期待は膨らみ、チームはますます大きな問題を抱えることになる。従来の映画製作技術に不満を抱いていたジョージは、業界の近代化を目指してコンピューター科学者のエド・キャットマルを雇い、コンピューター部門を立ち上げる。 1980年代の大ヒット作はILMの技術をふんだんに取り入れ製作された。スティーヴン・スピルバーグやロバート・ゼメキスといった監督との共同作業により、“レイダース/失われたアーク”、“ポルターガイスト”、“E.T.”、“バック・トゥ・ザ・フューチャー”などで、驚異的なエフェクトが生み出される。一方、コンピューター部門のピクサー・イメージ・コンピューターに刺激を受けた新人ジョン・ノールはフォトショップを開発する。 業界がデジタル時代に突入すると、世界中のCGアーティストがILMに集まってきた。チームは“アビス”や“ターミネーター2”で革命的なエフェクトを作り上げていく。一方、 従来のチームの中には新しいツールへ移行できる者もいたが、多くが適応することに苦労していた。“ジュラシック・パーク”で生み出されたCGの恐竜により、映画産業は大きな転換期を迎える。 同時に、コマ撮りの魔術師フィル・ティペットは“絶滅"した気分を味わうことになる。ジョージ・ルーカスは新しいデジタルツールを手に“スター・ウォーズ”シリーズに戻り、デジタルカメラとデジタルプロジェクターを推進させながら業界全体の進歩を推し進めていく。 21世紀に入っても革新は続き、新しい世代の映画製作者たちはILMと仕事をするチャンスに飛びついていく。CGに懐疑的だったジョン・ファヴローは“アイアンマン”制作中に実物とCGの区別がつかなくなったことに気づいて考えを改める。革命的なデジタル制作システム“ボリューム”の完成により、ジョージの究極のビジョンはついに実現する。 シリーズの最後には、芸術と技術を見事に融合させたILMの功績を関係者たちが称え、そのすべてを可能にした人々の魂に敬意を表していく。 この作品には激しい光の点滅を伴うシーンが含まれています。光に敏感な方はご注意ください。

ドキュメンタリー · 2022年 · 59分

シーズン 1

  • エピソード1

    はぐれ者の集団

    1975年、ジョージ・ルーカスはある問題を抱えていた。新作映画をスピード感あふれるスペースオペラにしたいと考えていたのだが、ハリウッドには彼の壮大なビジョンを映像化できる特殊効果会社がなかったのだ。そのためジョージはジョン・ダイクストラやカメラの専門家、機械職人、バイク乗り、パイロットなどを集めて自分の会社を設立しなければならなかった。 ダイクストラはアーティストや建築家、夢想家たちから成る規格外のチームを作り上げ、誕生したばかりのインダストリアル・ライト&マジック社の礎を築いていく。ヴァン・ナイズの空き倉庫を作業場にしたダイクストラは、カメラマンのリチャード・エドランドに電話をかける。エドランドは海軍に従事した後、ロック写真家やケーブルカーの運転士といった職を経験し、さらには人気のギターアンプを発明するなど実に多彩な経歴を持つ人物だ。 その頃、通勤時間を短くしたいと願っていた若きアーティストのジョー・ジョンストンは“宇宙映画”と書かれた求人広告に目を留める。彼は6週間ほど絵コンテを描くという仕事のオファーを受けることになるが、実は絵コンテが何なのかも知らなかった。 ヴァン・ナイズでSFの企画が動いているというニュースは、若きエフェクト愛好者のデニス・ミューレン、ケン・ラルストン、フィル・ティペットらの興味をも引くことになる。レイ・ハリーハウゼンを敬愛するこの3人は、子供の頃から映画作りに親しんでいた。“スター・ウォーズ”の脚本を読み、ラルストンは最高のチャンスだと感じるが、ミューレンは“これは不可能だ”と考えていた。 ジョージが “秘密の集団”と呼んだこの特殊効果チームは、まさに今回の作業にうってつけの存在になるはずだ。ジョー・ジョンストンは “ジョージは何が不可能か分かっていない連中を集めたかったのだと思う”と語っている。 ジョン・ダイクストラの指揮の下、チームはカメラの動きを繰り返すための複雑なモーションコントロール・システムの構築に取りかかった。ダイクストラはそれ以前に大学での実験に参加し、既に試作品を作成していた。 月日は流れ、チームは気温40度近い倉庫で1日18時間も働いていた。飛行機の脱出シュートを使った滑り台パーティーがたまの息抜きだ。新たにチームに加わった工業デザイナーのローン・ピーターソンは強力瞬間接着剤で同僚の模型製作者たちを驚かせた。エドランドは“多くの場合、勘が頼りだった”と回顧している。マットペインターであるハリソン・エレンショーは、日中はディズニー、夜はILMの倉庫で働いていた。彼は“ディズニーでは若手の一人だったが、ILMでは年寄りだった”と当時受けた衝撃を語っている。 半年が経ち、設計と組み立てをすべてゼロから始めることは予想していたよりもはるかに大変な作業だと分かる。モーションコントロールの試作品は出来上がったが、フィルムはまだ1つも完成していなかった。“作ったバイオリンの弾き方を学ばなければならなかったんだ”とエドランドは語っている。イギリスでの主要撮影が終了し、チームはできる限りのことをしようと奔走する。だが撮影のストレスで疲れ果てたジョージがILMに戻ると、約400のショットのうち、完成していたのはたったの2つであった。“あの時は失望した”とジョージは語る。

    58分 · 2022年7月27日
  • エピソード2

    荒馬に乗って

    1950年代のカリフォルニア州モデストに生まれ育ったジョージ・ルーカスは、カーレースに興味を持つ。しかし交通事故で危うく命を落としかけると、10代にして意義ある人生を見いだそうと決意。 事務用品店を継がせたいとの父の願いに背いて映画学校に入り、映画の力に魅入られた。 ジョージが学生の頃に制作した映画は同世代のスティーヴン・スピルバーグらから評判と称賛を集めた。ワーナー・ブラザース・スタジオで映画制作を学ぶという奨学制度をきっかけにジョージはフランシス・フォード・コッポラに出会って親交を深める。2人は共にサンフランシスコに拠点を移し、独立系の映画会社アメリカン・ゾエトロープを設立した。 ジョージは学生の頃に作った“THX-1138”の長編版を制作するが、スタジオの重役たちには理解不能と一蹴された。予算が引き揚げられてアメリカン・ゾエトロープは倒産。これに懲りたコッポラはジョージに「芸術作品はやめてコメディを撮れ」と助言する。その言葉に応えたジョージは“アメリカン・グラフィティ”を撮ってスマッシュヒットを放ち評判を得た。 だがスタジオは、“原子未来戦”のような映画シリーズで舞台は宇宙、ロボットと異星人が大勢出てきて、犬が宇宙船を飛ばす、という次作の案に対して難色を示す。ジョージの“スター・ウォーズ”という突拍子もないギャンブルに乗ったのはフォックスの重役アラン・ラッド・ジュニアだけだった。その後ジョージに雇われたイラストレーターのラルフ・マクォーリーが脚本を見事にイメージ化。そしてジョージは“アメリカン・グラフィティ”で得た利益を元手に“インダストリアル・ライト&マジック”という新たな特殊効果の会社を立ち上げる。 ILMがエフェクト制作に取りかかる中、ジョージはイギリスとチュニジアの撮影で様々な問題に悩まされていた。ILMに戻り、チームが2ショットしか完成させていなかったことを知ると、ストレスから体調を崩し入院してしまう。 映画の公開まで間もない中、ILMのチームは歯車が噛み合い始め、著しい前進を遂げる。ジョージは問題のあった酒場のシーンを撮り直し、ホロチェスのシーンではストップモーションの専門家フィル・ティペットとその相棒ジョン・バーグが作り上げたクリーチャーを採用して印象を際立たせた。 次にチームが集中すべきはデス・スターの“塹壕”で繰り広げられるクライマックスのチェイス・シーン。スタジオ側から予算オーバーを理由に該当シーンを削除するよう脅されもしたが、ILMのチームはゴールまで意志を貫いた。ヴァン・ナイズの駐車場を使って行った爆発シーンの撮影工程をジョン・ダイクストラが順を追って紹介する。ILMチームは遂に作業を完了させヴァン・ナイズの倉庫で打ち上げパーティーを挙行。フィル・ティペットは「私より賢い連中が20世紀フォックス株を買ってたよ」と述懐する。 1977年5月に公開された“スター・ウォーズ”は即座に社会現象となった。ILMのチームは大きなスクリーンで完成版を見た時の喜びと驚きを思い返す。だが映画を成功させた当のジョージにはなぜか不満が残っていた。「細工に使ったテープや輪ゴムが見えていた」ことへの解決策は見つからないままだが、「もっといい方法があるはずだ」と決意を新たにするジョージだった。

    53分 · 2022年7月27日
  • エピソード3

    よく考えてくれ

    “スター・ウォーズ”は次代の映画製作者たちに大きな刺激を与えた。その中の多くの者が将来ILMと仕事をすることになる。J・J・エイブラムスは“自分の家の中に新しい部屋を見つけた気分だった”と語り、若き日のジェームズ・キャメロンは仕事を辞めて映画を作ろうと決意する。 映画が公開されるとILMは事実上“消滅”し、スタッフは散り散りになっていった。ジョージから借りた倉庫と機材でジョン・ダイクストラは自分の会社を設立し、宇宙をテーマにした新しいテレビドラマ“宇宙空母ギャラクティカ”の制作を開始した。“あの場所とスタッフを残したかった”とダイクストラは語っている。 しかし “スター・ウォーズ”の続編を作るために北カリフォルニアへの移転を決めたジョージは、ダイクストラに誘いの声をかけなかった。多くのスタッフはダイクストラと別れるというつらい決断を迫られることになる。"家族を失うようだった"とジョー・ジョンストンは回顧する。 マリン郡にあるカーナー社の施設に拠点を移したILMチームは、史上最も成功した映画を超えられるか否かに自分たちの評価が懸かっていることを認識していた。リチャード・エドランドは “邪悪なマットラインを征服する”ために全く新しいオプチカルプリンターを作り上げ、USスチール社の冊子に着想を得たジョー・ジョンストンは4本脚の戦車を生み出していく。 編集作業に不満を感じていたジョージは、映画業界をデジタル時代に移行させるべく、コンピューター部門を立ち上げようと決意する。そこで採用されたのはコンピューターを使って映画を作ることを夢見ていたコンピューター科学者のエド・キャットマルだった。ジョージはキャットマルに編集や音声やデジタル化、コンピューターグラフィックス、合成のデジタル化といった任務を与えた。 一方、新作映画ではコマ撮りが多用されており、その作業の多くはフィル・ティペットの肩にかかっていた。ウォーカーやトーントーンの動きを作るのに何ヵ月も練習を重ねたティペットは “まるで自転車の乗り方を習得するようなものだった”と語っている。そしてこのプロセスを重視する作業に没頭することが自身の精神的な問題を解決するのに役立ったと回顧する。 ジョージのリーダーシップは独特であり、彼と一緒に働くことに対してジョンストンは “ジョージの考えを理解しないと通えない映画学校に通っている気分だった”と回想している。ジョージに制作上の問題点を訴えたものの “とにかく考えてみてくれ”と返されたデニス・ミューレンは、その問題を実際に考えることで人生を変えるような啓示を受けることになった。時間をかけて解決策を考えればどんな問題でも解決できるということを悟ったのだ。 “スター・ウォーズ”1作目の10倍の仕事量を抱えることになったマットペイント部門の部門長ハリソン・エレンショーが、“偉大な”ラルフ・マクォーリーと知り合えた喜びを語る。リチャード・エドランドはミレニアム・ファルコンがハイパースペースに入るシーンで用いた巧みな手法など、視覚効果のトリックを明らかにする。イタズラ好きのケン・ラルストンにとって、ウォルター・クロンカイトの訪問はイタズラを仕掛ける絶好の機会だった。 「帝国の逆襲」の公開を機にILMはジョージの勧めで外部の仕事を請け負うようになり、刺激的な挑戦への扉が開かれる。ケン・ラルストンは“突然、誰もがILMに来たがるようになった”と回顧する。

    1時間2分 · 2022年7月27日
  • エピソード4

    仲間を見つけた

    ジョージはハワイでの休暇中、一緒に来ていたスティーヴン・スピルバーグにルーカス版ジェームズ・ボンド映画を撮れと売り込む。「リールごとに山場があるシリーズ映画」という触れ込みだ。“レイダース/失われたアーク《聖櫃》”はILMが外部の作家と共作する初の作品となった。カーナー社を初めて訪れたスピルバーグは、「似たもの同士の子供たちがジャンクフードに群がっている遊び場」のように感じたと述懐する。 “レイダース”での視覚効果が認められてILMはアカデミー賞を受賞。だがもっと重要なのはスピルバーグを深く感心させ、「ILMとこの先も組み続けたい」と言わしめたことだった。 ILMの視覚効果は黄金期を迎えた。プロデューサーのキャスリーン・ケネディとフランク・マーシャルが思い出すのは、喜びにあふれた仕事、家族的なピクニック、そして“気取りのない、しかし優れたスタッフたち”。“E.T.”ではデニス・ミューレンが自転車を宙に浮かせた。“ポルターガイスト”ではリチャード・エドランドが、模型の家と、ピアノ線と、フォークリフトと、散弾銃を使うという発想で、有名な家屋崩壊シーンの実現に大いに寄与した。エド・キャットマルのCGチームは“スター・トレック2/カーンの逆襲”でジェネシスの効果を描くとともに、デジタルによる映画制作の萌芽を感じさせる重要な瞬間を作り出した。 「ジェダイの帰還」でスタッフが再集結、その仕事はやはり頂点を極めた。リチャード・エドランド、デニス・ミューレン、ケン・ラルストンの3人が視覚効果監修の重責を分担した一方、舞台の中央で活躍したのはフィル・ティペットのクリーチャーショップだった。その他、ラルストンのテニス靴が宇宙を漂った経緯、ミューレンとジョー・ジョンストンが有名なスピーダーバイクのチェイス・シーンのためアニマティクス映像を作成する様子、ミューレンとティペットがいかにカーナーの仕事場を超えて長年の友情を築いたかなどが語られる。 「ジェダイの帰還」での成功にもかかわらず、ストレスと燃え尽き症候群が蔓延していた。社の文化に変化を感じていたエドランドはILMを去る。だが過渡期の困難は、“グーニーズ”、“バック・トゥ・ザ・フューチャー”、“コクーン”など一連の成功によって相殺された。 ジョー・ジョンストンが業界を去ろうと考えた時、ジョージは費用をまかなうから映画学校へ通わないかと説得する。今日までハリウッドで続けている監督業への道を開いてくれたジョージとその寛容さに対し、ジョーは謝意を示す。 ジョン・ノールにとって、15歳でILMの施設を訪れたことが視覚効果の道へ進むきっかけとなった。「この人たちみたいに僕もなれる」「仲間を見つけた」と思えたのだ。数年後、自宅でモーションコントロール・システムを構築するまでになったノールはILMに就職。ルーカスフィルムのピクサー・イメージ・コンピューターに触発され、ノールは兄を手伝い“フォトショップ”という新たなプログラムを開発する。 ジョージの“デジタル化の夢”実現に寄与しつつもエド・キャットマルはアニメーションを作りたいという断固とした決意を持ち続けていた。とうとう望んでいたツールを得たことに満足したジョージは、CG部門をスティーブ・ジョブズに売却するという運命的な決断を下す。ピクサー・アニメーションが誕生する一方、ILMは独自のCGグループを立ち上げ、来たるべき壮大な挑戦に対応すべく備えるのだった。

    1時間2分 · 2022年7月27日
  • エピソード5

    モーフィング

    ILMは西部開拓時代さながらのデジタル時代に突入する。刷新されたコンピューター部門が直面した最初の大きな試練は“ウィロー”の複雑な変身ショットだった。毛のある動物の 模型やミニチュア作りを得意とするジーン・ボルトがモデルショップに加わるが、自身の手による動物たちがCGの歴史に大きな影響を与えるとは想像もしていなかった。ILMはこの時の変身技術を “MORF”と名付けるが、辞書には “MORPH”と載っている。これに対してミューレンは“辞書が間違っている”と主張している。 ジェームズ・キャメロンの新作映画“アビス”にリアルな水の生き物が登場するが、この生き物の存在にキャメロン自身も頭を悩ませる。ミューレンに説得されたキャメロンはCGで偽足を描くという大胆な手法にOKを出す。ILMはこの画期的なエフェクトを実現すべく、カナダのホッケー選手スティーヴ・“スパズ”・ウィリアムズやアラスカ出身のマーク・ディッペなどの新しい才能を迎え入れる。ウィリアムズとディッペはアリス・クーパー好きという共通点のおかげですぐに打ち解ける。 CGに未来を感じ取ったデニス・ミューレンは1年間の休みを取って勉強を始める。そして最終的に、“魔法は存在せず、全て定義できる”と理解するに至った。一方、ジーン・ボルトはモデルショップからいち早くCG部門へ移っていった。彼女はCGという新しいツールを“違う形をした絵の具と筆に過ぎない”と考えることができたのだ。 しかし皆がこの変化を受け入れられたわけではなかった。モデルショップの古株ジョン・グッドソンとキム・スミスは、“環境や素材や仲間たちと物理的に関わり合いながら働くことが仕事の喜びだった”と嘆く。CG部門へ移ることに関心を持つ模型製作者たちに向け、ゼネラルマネジャーのジム・モリスは研修の場を設けていたが、それに対してもグッドソンは“マシンが解体される”と思って腹を立てていた。 デジタル需要に応えるべく新たなスタッフたちが雇用される。エレン・プーンは夫を残してロンドンを離れ、ILMのあるサンフランシスコへ移り住むという苦渋の決断を下した。コンピューター部門が開花するにつれ、ILMに新しい世代が根付いていく。地下の防音室はウィリアムズとディッペの悪名高いオフィス“ピット”となり、ワイルドなパーティーの拠点となった。 キャメロンが“アビス”よりもはるかに大きなプロジェクトを抱えて戻ってきた。それは液体金属だけで作られたキャラクターが登場する野心作 “ターミネーター2”だった。ILMチームは9ヵ月で新しい技術を生み出し、この問題に対応しなければならない。新人のダグ・チャンが息をのむようなキャラクターを描き上げ、デザインが技術を進化させていく。 “ターミネーター2”によって、ILMは世界トップのCG制作会社としての地位を確立した。“何かすごいことを成し遂げるのは時間の問題だった”とエレン・プーンは語る。 デニス・ミューレンが次のプロジェクトをチームに伝えた。それはスティーヴン・スピルバーグが手がける恐竜映画で、フィル・ティペットがコマ撮り用の恐竜を制作することになっていた。スティーヴ・ウィリアムズとマーク・ディッペはミューレンに難色を示されながらも、個人的な挑戦としてCGで恐竜を作ろうと考える。ウィリアムズは“できると信じているなら挑戦あるのみだ”と言ってのける。

    53分 · 2022年7月27日
  • エピソード6

    恐竜のマネは禁止

    スティーヴン・スピルバーグは“ジュラシック・パーク”をフィル・ティペットのストップモーションによるミニチュア恐竜を使って撮影するつもりだった。しかしスティーヴ・ウィリアムズは密かにCGでティラノサウルスの骨格作成を進める。ミューレンはCGのクリーチャーを大作に使うのは時期尚早だと考えていたが、ウィリアムズが歩く恐竜の骨格をモニターに映しておき、プロデューサーのキャスリーン・ケネディの目にとまるよう画策。ミューレンも考えを変えて、スピルバーグ用にテスト映像を作るよう提案する。 完成したCG版ティラノサウルスが初めてスクリーンに映し出された時、試写に出席した誰もが世界は一変すると確信した。スピルバーグは「宗教的な体験」「すべてが変わると理解した」と表現する。 自分の作品となるはずの映画がCGに奪われ去るのを愕然と見ているしかなかったフィル・ティペットは「おしまいだと思った」と回想する。しかしスピルバーグとミューレンはティペットを解職する気などなく、クリーチャーの動きに関する博識ぶりをぜひ生かしてもらいたいと思っていた。 CGによる画期的な動きが“ジュラシック・パーク”で証明されると、以降の業界は急速に変化していった。雇用を大幅に拡大したILMには世界中から才能が集まってきた。そして待ちに待ったルーカスは、長らく温めてきた“スター・ウォーズ”前日譚三部作を作るための要素が遂にそろったと考える。ジョージは新たなデジタル・ツールを最大限かつそれ以上に活用しようと要望を出すが、視覚効果監修ノールにしてみれば「無謀なことをやれと言われた」と感じるほどだった。 ジョージはデジタル化を業界全体にまで広めようと試み続け、企業にはデジタルカメラやデジタル映写機を開発するよう促した。当初、激しい反発を受けながらもジョージの徹底した説得は実り、変化は徐々に受け入れられていく。ILMが国家技術賞を授与されると、評価は更に高まった。 デジタルによる映画制作は21世紀に突入。「ただ魔法をかけただけでは陳腐になる」とILMチーフ・クリエイティブ・オフィサーのロブ・ブレダウは言う。CGを懐疑的に見ていたと言う映画監督ジョン・ファヴローは、アイアンマンのスーツが実物かCGか見分けがつかなくなった時、信者に転向した。バリー・ジェンキンズは自分の監督作“地下鉄道~自由への旅路~”シリーズで、ILM制作の“完全に溶け込んだ”視覚効果を多く取り入れたのに、人々が視覚効果のない映画だと思っている事実に苦笑いする。 革新は続き、“マンダロリアン”の制作では“ボリューム”というシステムが生み出される。高速ビデオカードとモーションキャプチャー技術により、ボタン1つでその表面に数々のロケーションを映し出すことが可能な巨大スクリーンだ。 過去と未来に目を向けていた元祖“スター・ウォーズ”のスタッフによる強大な遺産は“マンダロリアン”でも生き続けている。その証拠がジョン・グッドソンによるレイザー・クレストの実物模型、そしてILMの地下室においてジョン・ノールの肝いりで続けられていたモーションコントロール装置だ。そして今、旅路は完全な円を成す。新旧の技術者たちが深い絆と変革の精神、そしてILMの魔法を祝いつつシリーズは幕を閉じる。

    1時間2分 · 2022年7月27日

関連

出演者/スタッフ

  • ブライアン・グレイザー

    プロデューサー
  • ロン・ハワード

    プロデューサー
  • ローレンス・カスダン

    プロデューサー
  • Meredith Kaulfers

    プロデューサー
  • マーク・ギルバー

    プロデューサー

作品について

ライト&マジック

ドキュメンタリー

ジョージ・ルーカスが“スター・ウォーズ”の製作のために設立した特殊効果&VFX制作会社「インダストリアル・ライト&マジック社」の歴史を紐解く、6話完結のドキュメンタリーシリーズ。ローレンス・カスダン監督が個人的なインタビューや未公開映像を通して、ILMの最もアイコニックなエフェクトを、それらを生み出したアーティストやイノベーターたちの驚くべき裏話とともに掘り下げる。 “スター・ウォーズ”の制作に着手したジョージ・ルーカスは、“宇宙でドッグファイト”という自身の野心的なビジョンを実現できる特殊効果制作会社がハリウッドに存在しないことに気づく。ジョージに雇われたカメラ機材の専門家ジョン・ダイクストラは、ヴァン・ナイズにある埃っぽい倉庫を拠点にして、アーティスト、建築家、夢想家たちから成る斬新なチームを結成していく。気温40度の暑さの中、彼らは船を設計し、模型を作り、画期的なカメラシステムをゼロから作り上げる。しかし、イギリスでの主要撮影を終えたジョージが帰国すると、ILMの作業は予定より大幅に遅れていた。何とか期限までに完成した“スター・ウォーズ”は世界中で公開され大成功を収めるが、ジョージは不思議とその結果に満足できないでいた。 続編「帝国の逆襲」を制作するにあたり、ジョージはILMを北部の新しい施設へと移動させる。続編に対する世間からの期待は膨らみ、チームはますます大きな問題を抱えることになる。従来の映画製作技術に不満を抱いていたジョージは、業界の近代化を目指してコンピューター科学者のエド・キャットマルを雇い、コンピューター部門を立ち上げる。 1980年代の大ヒット作はILMの技術をふんだんに取り入れ製作された。スティーヴン・スピルバーグやロバート・ゼメキスといった監督との共同作業により、“レイダース/失われたアーク”、“ポルターガイスト”、“E.T.”、“バック・トゥ・ザ・フューチャー”などで、驚異的なエフェクトが生み出される。一方、コンピューター部門のピクサー・イメージ・コンピューターに刺激を受けた新人ジョン・ノールはフォトショップを開発する。 業界がデジタル時代に突入すると、世界中のCGアーティストがILMに集まってきた。チームは“アビス”や“ターミネーター2”で革命的なエフェクトを作り上げていく。一方、 従来のチームの中には新しいツールへ移行できる者もいたが、多くが適応することに苦労していた。“ジュラシック・パーク”で生み出されたCGの恐竜により、映画産業は大きな転換期を迎える。 同時に、コマ撮りの魔術師フィル・ティペットは“絶滅"した気分を味わうことになる。ジョージ・ルーカスは新しいデジタルツールを手に“スター・ウォーズ”シリーズに戻り、デジタルカメラとデジタルプロジェクターを推進させながら業界全体の進歩を推し進めていく。 21世紀に入っても革新は続き、新しい世代の映画製作者たちはILMと仕事をするチャンスに飛びついていく。CGに懐疑的だったジョン・ファヴローは“アイアンマン”制作中に実物とCGの区別がつかなくなったことに気づいて考えを改める。革命的なデジタル制作システム“ボリューム”の完成により、ジョージの究極のビジョンはついに実現する。 シリーズの最後には、芸術と技術を見事に融合させたILMの功績を関係者たちが称え、そのすべてを可能にした人々の魂に敬意を表していく。 この作品には激しい光の点滅を伴うシーンが含まれています。光に敏感な方はご注意ください。

情報

スタジオ
DISNEYP
リリース
2022年
生産地域
アメリカ合衆国

言語

オリジナル音源
英語(イギリス)
オーディオ
日本語 (⁨Dolby 5.1⁩)、と、さらに12ヶ国語...
字幕
日本語 (常にオン)、と、さらに26ヶ国語...

オリジナル音源

  • 英語(イギリス)

オーディオ

  • 日本語 (⁨Dolby 5.1⁩)
  • イタリア語 (⁨Dolby 5.1⁩)
  • スペイン語(スペイン) (⁨Dolby 5.1⁩)
  • スペイン語(ラテンアメリカ) (⁨Dolby 5.1⁩)
  • ドイツ語 (⁨Dolby 5.1⁩)
  • トルコ語 (⁨Dolby 5.1⁩)
  • フランス語(フランス) (⁨Dolby 5.1⁩)
  • ポーランド語 (⁨Dolby 5.1⁩)
  • ポルトガル語(ブラジル) (⁨Dolby 5.1⁩)
  • 広東語 (⁨Dolby 5.1⁩)
  • 標準中国語 (⁨Dolby 5.1⁩)
  • 英語 (AD、⁨Dolby 5.1⁩)
  • 韓国語 (⁨Dolby 5.1⁩)

字幕

  • 日本語 (常にオン)
  • イタリア語 (常にオン)
  • オランダ語
  • ギリシャ語
  • スウェーデン語
  • スペイン語(スペイン) (常にオン)
  • スペイン語(ラテンアメリカ) (常にオン)
  • スロバキア語
  • チェコ語
  • デンマーク語
  • ドイツ語 (常にオン)
  • トルコ語 (常にオン)
  • ノルウェー語
  • ハンガリー語
  • フィンランド語
  • フランス語(カナダ)
  • フランス語(フランス) (常にオン)
  • ポーランド語 (常にオン)
  • ポルトガル語(ブラジル) (常にオン)
  • ポルトガル語(ポルトガル)
  • ルーマニア語
  • 中国語(香港)
  • 広東語 (常にオン)
  • 標準中国語 (常にオン)
  • 簡体中国語
  • 繁体中国語
  • 韓国語 (常にオン)

アクセシビリティ

バリアフリー音声ガイド(AD)は、目が見えないまたは見えづらい方のために人物の動きや場面などの状況をナレーションで補う音声です。
  • English (US)
国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

  • Algeria
  • Angola
  • Armenia
  • Azerbaijan
  • Bahrain
  • Benin
  • Botswana
  • Cameroun
  • Cape Verde
  • Chad
  • Côte d’Ivoire
  • Congo, The Democratic Republic Of The
  • Egypt
  • Eswatini
  • Gabon
  • Gambia
  • Ghana
  • Guinea-Bissau
  • India
  • Iraq
  • Israel
  • Jordan
  • Kenya
  • Kuwait
  • Lebanon
  • Liberia
  • Libya
  • Madagascar
  • Malawi
  • Mali
  • Mauritania
  • Mauritius
  • Morocco
  • Mozambique
  • Namibia
  • Niger (English)
  • Nigeria
  • Oman
  • Qatar
  • Congo, Republic of
  • Rwanda
  • Saudi Arabia
  • Senegal
  • Seychelles
  • Sierra Leone
  • South Africa
  • Sri Lanka
  • Tajikistan
  • Tanzania, United Republic Of
  • Tunisia
  • Turkmenistan
  • United Arab Emirates
  • Uganda
  • Yemen
  • Zambia
  • Zimbabwe

アジア太平洋

  • Australia
  • Bhutan
  • Cambodia
  • 中国大陆
  • Fiji
  • 香港
  • Indonesia (English)
  • 日本
  • Kazakhstan
  • 대한민국
  • Kyrgyzstan
  • Lao People's Democratic Republic
  • 澳門
  • Malaysia (English)
  • Maldives
  • Micronesia, Federated States of
  • Mongolia
  • Myanmar
  • Nepal
  • New Zealand
  • Papua New Guinea
  • Philippines
  • Singapore
  • Solomon Islands
  • 台灣
  • Thailand
  • Tonga
  • Turkmenistan
  • Uzbekistan
  • Vanuatu
  • Vietnam

ヨーロッパ

  • Armenia
  • Österreich
  • Belarus
  • Belgium
  • Bosnia and Herzegovina
  • Bulgaria
  • Croatia
  • Cyprus
  • Czechia
  • Denmark
  • Estonia
  • Finland
  • France (Français)
  • Georgia
  • Deutschland
  • Greece
  • Hungary
  • Iceland
  • Ireland
  • Italia
  • Kosovo
  • Latvia
  • Lithuania
  • Luxembourg (English)
  • Malta
  • Moldova, Republic Of
  • Montenegro
  • Nederland
  • North Macedonia
  • Norway
  • Poland
  • Portugal (Português)
  • Romania
  • Россия
  • Serbia
  • Slovakia
  • Slovenia
  • España
  • Sverige
  • Schweiz
  • Türkiye (English)
  • Ukraine
  • United Kingdom

ラテンアメリカ、カリブ海地域

  • Anguilla
  • Antigua and Barbuda
  • Argentina (Español)
  • Bahamas
  • Barbados
  • Belize
  • Bermuda
  • Bolivia (Español)
  • Brasil
  • Virgin Islands, British
  • Cayman Islands
  • Chile (Español)
  • Colombia (Español)
  • Costa Rica (Español)
  • Dominica
  • República Dominicana
  • Ecuador (Español)
  • El Salvador (Español)
  • Grenada
  • Guatemala (Español)
  • Guyana
  • Honduras (Español)
  • Jamaica
  • México
  • Montserrat
  • Nicaragua (Español)
  • Panamá
  • Paraguay (Español)
  • Perú
  • St. Kitts and Nevis
  • Saint Lucia
  • St. Vincent and The Grenadines
  • Suriname
  • Trinidad and Tobago
  • Turks and Caicos
  • Uruguay (English)
  • Venezuela (Español)

米国およびカナダ

  • Canada (English)
  • Canada (Français)
  • United States
  • Estados Unidos (Español México)
  • الولايات المتحدة
  • США
  • 美国 (简体中文)
  • États-Unis (Français France)
  • 미국
  • Estados Unidos (Português Brasil)
  • Hoa Kỳ
  • 美國 (繁體中文台灣)

Copyright © 2025 Apple Inc. All rights reserved.

  • インターネットサービス規約
  • Apple TVとプライバシー
  • Cookieに関するポリシー
  • サポート
国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

  • Algeria
  • Angola
  • Armenia
  • Azerbaijan
  • Bahrain
  • Benin
  • Botswana
  • Cameroun
  • Cape Verde
  • Chad
  • Côte d’Ivoire
  • Congo, The Democratic Republic Of The
  • Egypt
  • Eswatini
  • Gabon
  • Gambia
  • Ghana
  • Guinea-Bissau
  • India
  • Iraq
  • Israel
  • Jordan
  • Kenya
  • Kuwait
  • Lebanon
  • Liberia
  • Libya
  • Madagascar
  • Malawi
  • Mali
  • Mauritania
  • Mauritius
  • Morocco
  • Mozambique
  • Namibia
  • Niger (English)
  • Nigeria
  • Oman
  • Qatar
  • Congo, Republic of
  • Rwanda
  • Saudi Arabia
  • Senegal
  • Seychelles
  • Sierra Leone
  • South Africa
  • Sri Lanka
  • Tajikistan
  • Tanzania, United Republic Of
  • Tunisia
  • Turkmenistan
  • United Arab Emirates
  • Uganda
  • Yemen
  • Zambia
  • Zimbabwe

アジア太平洋

  • Australia
  • Bhutan
  • Cambodia
  • 中国大陆
  • Fiji
  • 香港
  • Indonesia (English)
  • 日本
  • Kazakhstan
  • 대한민국
  • Kyrgyzstan
  • Lao People's Democratic Republic
  • 澳門
  • Malaysia (English)
  • Maldives
  • Micronesia, Federated States of
  • Mongolia
  • Myanmar
  • Nepal
  • New Zealand
  • Papua New Guinea
  • Philippines
  • Singapore
  • Solomon Islands
  • 台灣
  • Thailand
  • Tonga
  • Turkmenistan
  • Uzbekistan
  • Vanuatu
  • Vietnam

ヨーロッパ

  • Armenia
  • Österreich
  • Belarus
  • Belgium
  • Bosnia and Herzegovina
  • Bulgaria
  • Croatia
  • Cyprus
  • Czechia
  • Denmark
  • Estonia
  • Finland
  • France (Français)
  • Georgia
  • Deutschland
  • Greece
  • Hungary
  • Iceland
  • Ireland
  • Italia
  • Kosovo
  • Latvia
  • Lithuania
  • Luxembourg (English)
  • Malta
  • Moldova, Republic Of
  • Montenegro
  • Nederland
  • North Macedonia
  • Norway
  • Poland
  • Portugal (Português)
  • Romania
  • Россия
  • Serbia
  • Slovakia
  • Slovenia
  • España
  • Sverige
  • Schweiz
  • Türkiye (English)
  • Ukraine
  • United Kingdom

ラテンアメリカ、カリブ海地域

  • Anguilla
  • Antigua and Barbuda
  • Argentina (Español)
  • Bahamas
  • Barbados
  • Belize
  • Bermuda
  • Bolivia (Español)
  • Brasil
  • Virgin Islands, British
  • Cayman Islands
  • Chile (Español)
  • Colombia (Español)
  • Costa Rica (Español)
  • Dominica
  • República Dominicana
  • Ecuador (Español)
  • El Salvador (Español)
  • Grenada
  • Guatemala (Español)
  • Guyana
  • Honduras (Español)
  • Jamaica
  • México
  • Montserrat
  • Nicaragua (Español)
  • Panamá
  • Paraguay (Español)
  • Perú
  • St. Kitts and Nevis
  • Saint Lucia
  • St. Vincent and The Grenadines
  • Suriname
  • Trinidad and Tobago
  • Turks and Caicos
  • Uruguay (English)
  • Venezuela (Español)

米国およびカナダ

  • Canada (English)
  • Canada (Français)
  • United States
  • Estados Unidos (Español México)
  • الولايات المتحدة
  • США
  • 美国 (简体中文)
  • États-Unis (Français France)
  • 미국
  • Estados Unidos (Português Brasil)
  • Hoa Kỳ
  • 美國 (繁體中文台灣)