
シビル・ウォー アメリカ最後の日

分断の果てに内戦が勃発したアメリカ合衆国。連邦政府から19の州が離脱し、テキサス・カリフォルニアの同盟からなる西部勢力と、大統領が率いる政府軍による激しい武力衝突が各地で繰り広げられていた。 「我々は歴史的勝利に近づいている」と訴える大統領の主張とは裏腹に、西部勢力はワシントンD.C.から200kmの地点まで進攻し、政府軍は敗色濃厚となっていた。ニューヨークに滞在中の戦場カメラマンのリー(キルステン・ダンスト)と記者のジョエル(ワグネル・モウラ)は、D.C.陥落を前に14 ヶ月の間一度も取材を受けていない大統領への単独取材を計画する。D.C.までの距離は車で1,379km。リーの恩師であるベテラン記者サミー(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)と、取材中に出会った若手カメラマンのジェシー(ケイリー・スピーニー)も前線のシャーロッツビルまで同乗することとなり、4人はニューヨークを出発する。 「3期目の任期中に後悔したことは?」「FBIを解散させたのは懸命な判断でしたか?」「米国民への空爆をどのように考えていますか?」。大統領への質問を想定しながら車を走らせる一行はガソリンスタンドに立ち寄る。紙幣価値が生きているカナダドルで支払いを済ませ給油をしていたところ、武装した男たちが“略奪者”と呼ぶ男を拷問している様子を目撃。ジェシーは凄惨な状況に狼狽する一方、リーは冷静に彼らを写真に収めていく。何もできなかったことを猛省するジェシーは「同じミスはしない」と固く心に誓う。 翌日になり、敵勢力と武力衝突する民兵グループに密着。ジェシーは銃撃戦の模様を撮影することに成功し、リーからもその実力を認められるようになる。避難キャンプで一夜を明かした一行は、平時を装う奇妙な町で小休止したり、僻地で正体不明のスナイパーと軍人による狙撃戦に巻き込まれながらもD.C.へと近付いていく。その後、記者仲間のトニーとボハイに再会して喜んだのも束の間、民間人の遺体を処理する残虐な武装集団に遭遇。「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」と問いかける武装兵の狂気を前に絶体絶命かと思われたが、サミーの転機により間一髪でその場を脱出することに成功する。 やがて西部勢力の軍事基地があるシャーロッツビルに到着した一行は、政府軍が降伏したことを知る。D.C.を防衛するのはもはや僅かな残党のみ。一行は進軍する西部勢力の後を追い、遂に大統領のいるD.C.へと足を踏み入れるのだった。
- 81%