コウラン伝 始皇帝の母

紀元前3世紀半ば。趙 (ちょう) の国の都、邯鄲 (かんたん)。名家で育った聡明で美しい娘、李皓鑭 (りこうらん) は、まま母の策略によって実母を殺されたうえ、家を追われる。失意の皓鑭を救ったのは、天下を手中に収めようという大胆な野望を持つ商人、呂不韋 (りょふい) だった。皓鑭と呂不韋は、ままならぬ世に立ち向かう「同志」として固い絆で結ばれ、互いに惹 (ひ) かれていく。王室への足がかりを得た2人は、趙で人質として暮らす秦の国王の孫、嬴異人 (えいいじん) と出会い、彼を祖国に帰して王座に就けようと動きだす。異人もまた皓鑭に恋心を抱くように。苦難にも負けず、ただひたすら自分に忠実に生きようとする皓鑭を待つ運命は…。