「その日、初めて退屈じゃなくなった――」 とある中学校で起こった教師のバラバラ殺人事件。この学校に通う少年・コバヤシは、事件の捜査に訪れた天才探偵・アケチと出会う。異常犯罪ばかりを捜査するアケチに対して興味を持ったコバヤシは、友人のハシバの心配をよそに、自ら「助手」を志願する。次々と起こる奇怪な事件の中で、コバヤシは退屈な日常を捨て置いていくのだった。
エピソード1
人間椅子
コバヤシ少年は中学2年生になった今日まで、生きる喜びを感じたことがありませんでした。それは死んでいるも同然のことです。 ある日、彼はオブジェと化した死体の前で目を覚ましました。なんとそれは殺された担任の教師ではありませんか。コバヤシ少年は真っ先に警察に疑われ、容疑者として逮捕されてしまいました。証拠不十分で釈放となったコバヤシ少年は、アケチ探偵の元を訪れます。彼は17歳でありながら、政府から許可証を得た少年探偵なのです。さあ今ここに、謎の「人間椅子」をめぐって、コバヤシ少年とアケチ探偵の推理が始まるのです。
エピソード2
釈放されたコバヤシ少年でしたが、学校では彼を見る目に変化が起きていました。誰もがコバヤシ少年を疑っているのです。ですがただ一人、友人のハシバ君だけはコバヤシ少年を信じて庇ってくれます。彼はハシバ財閥の御曹司で生徒会長でクラス委員という、素晴らしい少年です。ハシバ君は真犯人を見付けるため、コバヤシ少年に協力します。ですが、謎も多く性格が陰険なアケチ探偵のことはよく思っていないようです。そして三人はついに、真犯人を追い詰めます。果たして、犯人の目的はなんだったのでしょうか?なぜ人間を椅子になどしたのでしょうか?今、おぞましい真実が語られるのです。
エピソード3
影男
世間を騒がす怪盗「怪人影男」は変装の天才で、どんな人物にでも変装できます。ただし自らに科した定めで少女にだけ変装できないのは、彼が全ての少女をとても愛しているからです。警察は今起きている連続少女誘拐事件の犯人だと疑っていました。 その日、アケチ探偵に影男を捜査するよう警察から依頼がきたのですが、彼は影男に興味がないという理由で依頼を断ってしまいました。しかし謎の怪人に興味津々のコバヤシ少年は、独自に調査することを心に決めました。ところが、影男の方がコバヤシ君に会いにきてしまうのです。なぜ、彼は姿を現したのでしょうか? なんと影男は真犯人を捕まえるために、コバヤシ少年に女装して欲しいと言うではありませんか!
エピソード4
怪人二十面相
3年前、正体を隠して法で裁けぬ悪人に天誅を下す「怪人二十面相」事件がありました。模倣犯も続出した大事件です。人々が事件を忘れかけた今、新たな怪人二十面相が出現したのです。新たな怪人二十面相は、刑を免れ釈放された悪人たちをとても惨い方法で殺し、それを世間に晒すのです。後ろめたい気持ちがある悪人たちは、次は自分が狙われるのではないかと恐怖に震え上がりました。この二十面相の正体は何者なのでしょうか? ひょっとしたら本物の二十面相が戻ってきたのかもしれません。アケチ探偵は、二十面相の裏をかくために、ある作戦を実行します。果たしてアケチ探偵は二十面相を掴まえることができるのでしょうか?
エピソード5
芋虫
かつて次々と現れた仮面の男たちは皆、法で裁けぬ犯罪者を追い、見返りを求めずに被害者の恨みを晴らしていました。それは違法なことなのですが、人によっては英雄的行為とも取れました。仮面を手にすれば誰もが怪人二十面相になれるのです。 凄惨な事件を巻き起こした犯人から恐ろしい真相が語られます。なぜ彼は怪人二十面相になってしまったのでしょうか?そして何より不可解なのは、これだけの殺人を行っていながら、なぜ彼は彼がもっとも忌むべき人物だけを殺していないのでしょうか?
エピソード6
地獄風景
その日、アケチ探偵事務所の軒先に子猫が捨てられていました。普段人間には心を開かないコバヤシ少年ですが、この子猫のことは好きになりました。ところが家主であるアケチ探偵の方は猫アレルギーだったのです。コバヤシ少年が渋々子猫を捨てにいこうとすると、今度は縛られた影男が捨てられていました。なんと彼の体には時限爆弾が括り付けられていたのです。果たしてコバヤシ少年たちは子猫と影男を見捨てずに助けることができるのでしょうか? あるいは、助けないのでしょうか? 更にあろうことか、今度はアケチの子供だと書き置きされた赤ん坊までもが、軒先に捨てられているではありませんか? 一体アケチ探偵事務所に何が起こっているのでしょうか?
山下大輝
高橋りえ
櫻井孝宏
小西克幸
チョー
日笠陽子
岸誠二
上江洲誠