日中戦争、太平洋戦争で活躍し、世界航空史に名声を残した旧日本海軍の戦闘機・零戦(ぜろせん)。わずか千馬力で驚くべき戦闘力と航続力を備えた戦闘機で、日米開戦当初は米軍の主力戦闘機でもかなわなかったほどです。しかし、アメリカは零戦の秘密を徹底的に分析、この名戦闘機を超えるF6F戦闘機を開発しました。残された史料や映像をもとに、大戦の陰で、日米の科学技術の闘いと人命尊重に対する思想の違いを描きます。[HIST](C)NHK
昭和20年3月10日、東京の下町を中心に一般市民を襲った東京大空襲。アメリカ国防総省戦史室には、東京大空襲に関する作戦計画書類と空襲時に撮影した映像記録が保存されています。大空襲はち密に練り上げ、実行された軍事行動でした。番組では、それまで極秘となっていた米軍の爆撃命令書や大空襲の中を生き延びた人々の証言を元に、東京大空襲の実態を検証します。[HIST](C)NHK
昭和53年(1978)11月、愛媛県城辺町(現在の愛南町)の日土湾で一機の戦闘機が発見され、旧日本海軍最後の名戦闘機・紫電改(しでんかい)と判明。翌年の夏、34年ぶりに海底から引き揚げられました。終戦直前に松山で編成された343飛行隊司令・源田実、設計者・清水三郎、日米のパイロット、同機搭乗員の遺族らの証言をもとに、太平洋戦争終局に米軍のF6F戦闘機、B29爆撃機と戦った紫電改を回顧します。[HIST](C)NHK
太平洋戦争末期、2700余人の将兵とともに東シナ海に沈没した戦艦「大和」。海の墓標委員会の尽力で、昭和60年(1985)、海底に眠る「大和」が40年ぶりに確認されました。潜水艇で探すこと3日、カメラは、350メートルの深海に無残な姿をとらえました。ひき裂かれた鉄片、四散する船体、艦首の菊の紋章を追い、爆裂のすさまじさ、戦争の悲惨さを伝えます。しかし、残念ながら遺骨は一体も発見できませんでした。[HIST](C)NHK
昭和16年(1941)の日米開戦前夜、日本の参謀本部にスウェーデン駐在武官・小野寺信大佐から、日米開戦に反対する30数通もの電報が届きました。当時、小野寺は連合国から「ヨーロッパ日本人スパイ網の親玉」と恐れられる存在。しかし日本では彼の忠告は受け入れられず、事態は悪化します。「ドイツはソ連に負ける」と予見し、正確な情報を送り続けた小野寺。知られざる情報戦の実態は?第12回放送文化基金賞本賞受賞。[HIST](C)NHK