山賊マッティスと妻ローヴィスの間に生まれたローニャ。その晩に落ちた雷でマッティスとりでには「地獄の口」と呼ばれる裂け目ができ、「妖し鳥」も飛び交った。両親や山賊たちに可愛がられて育つローニャだが、とりでにいる子どもは彼女だけ。初めてひとりで外出を許された日、ローニャは森で遊んだ挙げ句、眠りこんだところを「灰色こびと」に囲まれてしまう。マッティスに助けられたローニャは、森の楽しさと恐ろしさを学ぶ…。

「地獄の口」の向こうに初めて自分以外の子どもを見つけたローニャだったが、その男の子は父親の仇であるボルカ山賊の息子、ビルク・ボルカソンだった。マッティスはとりでの向こうにボルカ山賊が越してきたと知って憤り、ローニャを早く山賊に育てようと、初めて仕事に連れていく。一方、ヴァルディルは村に来る商人を襲う山賊を退治するため、悪徳代官のハルヴェットに代わりキャッパとその妹スマーヴィスを迎えるが……。

マッティスは隣に越してきたボルカ山賊をとにかく追い出したいとあれこれ考えを巡らせるが、スカッレ・ペールに殺し合いだけはしないようくぎを刺される。ローニャは森でビルクと会って、反発しながらも一日中楽しく遊ぶ。村では、シェッゲが妹とその赤ん坊のために食べ物を盗もうとしてキャッパに捕らえられていた。盗人として村にいられないシェッゲはマッティスに「家族はいない」と嘘をつき山賊の仲間に……。

マッティス山賊によって火薬でとりでをいぶり出され、馬も盗まれたボルカ山賊は、獲物を捕るすべを失い食料事情はいよいよ厳しくなる。一方のマッティス山賊は、森でヘラジカを射止めて大喜び。そして季節は冬を迎え初雪が降る。ローニャは大喜びで毎日スキーを履いて森に出ていたが、ある日、コブで大ジャンプした後、片足を「ずんぐり小鬼」の巣に突っ込んでしまう。抜けずに何時間も震える中、目の前に妖し鳥が現われ……。

妖し鳥が動けなくなったローニャの肩をつかんで連れていこうとするが、そこへ矢が放たれる。ビルクに助けられたローニャはビルクときょうだいの契りを交わす。しかしその日からローニャは雪で森に出られなくなってしまう。ある日、ローニャは地下の岩の向こうからビルクの口笛を聞く。岩をどけてようやく再会したビルクはやせ細っていた。飢えるボルカ山賊のため、ローニャは少しずつ食料をビルクに渡すようになるが……。

冬が終わり、ようやく春が来た。マッティス山賊らは髪を切って、また森に出ていく。ローニャも森で毎日ビルクに会えることに。ビルクはローニャからもらった最後の食料を食料庫に入れているところを父ボルカに見つかってしまい、自分でマッティス山賊の所から盗んできたと嘘をつく。村では、スマーヴィスが墓参りする姉のキャッパを見て、両親が亡くなったのはこの村だったと思い出し、両親を殺したのが誰なのかを知る。